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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 122

連合軍は北アフリカからシシリー島を攻撃、奪取しイタリア半島からヨーロッパへ上陸する作戦を考えた。この弱さを考えると、イタリア半島に連合軍が上陸すればイタリアが脱落することはほぼ間違いなかった。
「さて、どうやって上陸するかだが……」
「イタリア半島に上陸した後、ローマを落とす前にドイツ軍が南下してくる危険があります。」
「また、イタリアが対独宣戦してもドイツ軍の前にはひとたまりもありません。」
「ではシシリーを攻略してコルシカ、サルディニアを占領するのはどうか。」
「地中海制覇なら可能でしょう。」
「その後、イタリアを懐柔し、対独宣戦させよう。イタリアが負けても我々に被害はない。」
連合国はイタリアを切り崩す作戦を考えた。
「しかし、北アフリカへの補給はどうする?」
「老齢戦艦で油槽船を護衛し、喜望峰周りでスエズから補給しよう。」
ドイツ軍が北アフリカから兵を引き揚げたことがイタリアを苦境に立たせていた。
「よし。早速提出だ。」
たたき台の出来あがったイタリア作戦を司令部に提出。するとすぐさま
「大至急作戦会議を招集だ。」
と作戦会議が行われ、イタリア攻略作戦が決まった。
だがドイツ軍内部にも、イタリア情勢を懸念する声があった。
リビアでもスエズでも連合国の圧力を受け、スエズ運河の通行さえ不安視される事態となっていたからだ。
そこで応急的な対処だが、ソ連降伏で大量に鹵獲したT34シリーズなどを装備したイタリア軍装甲師団の編成が行われることになった。
また連合軍のスエズ突破を防ぐべく、独伊の潜水艦部隊がスエズ運河南方、紅海に展開し、敵戦艦群による突破に備える事になった。
この頃にはイタリア海軍にも酸素魚雷が伝わっており、その打撃力は期待されていた。
この頃既にインドは陥落して独立宣言を出しており、連合国海軍はアフリカ大陸沿岸をほぼ一巡りする形で南方からエジプトを狙うことになった。
この時期、インド洋では南方資源地帯やインドの資源等を枢軸国へ送るべく、スエズ経由の輸送船団が時折航行するようになっていたが、ペルシャ、イラクなどの英軍は駆逐されておらず、スエズへ圧迫を加えていた。
高速爆撃機モスキトーなどによる空襲も散発的ながら続いており、被爆する船もあった。

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