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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 12

一斉に発射された魚雷は「ワスプ」に4発が命中、「サラトガ」には5発命中しそれぞれ大きく傾いた。「レンジャー」にも1発が命中し、駆逐艦2隻にも命中した。
「戦果右の通り
・空母2隻撃沈確実
・空母1隻大破
・駆逐艦1隻撃沈、1隻大破漂流中
以上」
これでとりあえずこの部隊から航空攻撃を受ける心配はなくなったと小澤中将は判断した。
そのときだった。
「敵機来襲!」
アメリカ軍の護衛空母「コパヒー」「スワニー」「コア」が攻撃隊を出してきたのだ。その数F4F戦闘機12機、ドーントレス30機、アペンジャー26機であった。
ズドドドドドドド
空母「蒼龍」の両側舷側の機銃群が狂ったように火を噴いた。
ドッガガガガガガ
他の艦の対空火器も一斉に火を噴いた。
日本軍の上空護衛の零戦が反撃し、敵機の大半を撃墜したが、その攻撃をかいくぐってきたドーントレス5機が「赤城」に爆弾を投下。
ドドーン
そのうち1発が「赤城」の主砲に命中した。
しかし、零戦の活躍は素晴らしかった。ドーントレス5機、F4F2機を逃した以外は全て落としたのだ。また「赤城」の被害は主砲発射不能となったのみで、航空機の発着に関しては問題なかった。
「火災消火急げ。消火完了後すぐさま攻撃隊を用意せよ。敵護衛空母群を撃滅する。」
と小澤中将は命令した。
火災はあっという間に消し止められた。
第一波攻撃隊の攻撃力は零戦84機、九九艦爆99機、九七艦攻87機であった。
「発進!」
6隻の空母から次々に航空機が発進して行った。隊長は村田重治少佐(艦攻搭乗)だった。
航空隊は引き返していく敵機を追いかけた零式水偵から護衛空母群の位置を無電で知らされ、一路護衛空母群に向かった。
「敵艦隊発見。コノ艦隊ニ空母ラシキモノ無。位置ハ護衛空母群ノ推定位置付近。」
「付近ノ海上ヲ索敵セヨ。」
「敵空母発見。」
「空母ヲ攻撃セヨ。」
急降下爆撃隊がまず「スワニー」と「コア」に襲い掛かった。対空砲火で3機が火達磨となった。しかし爆撃隊は怯まず「スワニー」に爆弾9発を命中させ大火災、「コア」には12発の命中弾を与え撃沈した。
続いて雷撃隊が「ロングアイランド」に魚雷4発を命中させ右に傾斜させ、「コパヒー」には魚雷3発を与え航行不能とした。
「戦果右ノ通リ
空母1隻撃沈
空母2隻大破、うち1隻撃沈の可能性大なり
空母1隻航行不能
以上」

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