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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 110

「戦闘、主砲右砲戦、発射用意!」
「発射用意良シ。」
「射撃開始。」
「撃チ方始メ!」
ドドドォーン
ズドドォーン
戦艦「尾張」と「淡路」の51センチ三連砲が一斉に火を噴いたのだ。
四式榴弾が敵機に向かっていく。
バババババアァ〜ン
9門が2隻分、18門の砲撃である。戦艦群の方位一定射撃に近い威力がある。また、四式榴弾は危害半径を832mとした新型弾である。箱形編隊で突入してきたB17は次々に海面にたたきつけられていった。
「素晴らしい兵器ですな。」
「これがあれば無敵だ。」
各艦の将兵は感嘆の声を挙げた。
「撤退、撤退。」
わずか13機となったB17は反転、帰還していった。
「きっとまだ来るぞ。」
小沢中将は実戦経験のない戦闘機、烈風を発進させた。
「またレーダーに敵機です。その数先の3倍以上!」
「またか!」
「あ、今度は重爆じゃない。」
スカイレーダーをF4UやF8F戦闘機が護衛しているのだ。
「続け!」
防空網を張っていた暴風は急降下し、20mm機銃の雨を降らせた。
「ぐわっ!」
「ギャッ!」
ボゥン ドォン
不意を突かれた米軍機は次々に撃墜されていったが、飛来した米軍機は数が多すぎた。
ドガガガガガガガ
ドゴォン ボゥン
「くそ、きりがない。」
更に、新型アメリカ軍戦闘機によって逆に撃墜される暴風も出てきた。
「手強いな……」
網を張っていた暴風は約半数が落され、アメリカ機は70機以上を失ったが、300機以上を残して日本艦隊に向かっていった。
「来たぞ。」
「よし、おれたちの強さを証明してやる。」
意気込んで戦闘に向かったのは初陣の烈風である。
「ん?ジャップの新型機か。よし、お手並み拝見だ。」
ドガガガガガ
バリバリバリ
ギュウゥーン
ダダダダダダダ
たちまち乱戦となった。
「もらった…ぐわっ!」
「ジャップの戦闘機がこれほどとは……」
アメリカ軍機はこのなかを無理やり突破し、日本軍空母を攻撃すべく進撃を再開した。
「戦闘!主砲右砲戦。発射用意!」
「発射用意完了!」
「発射!」
ドドドドォン
ズドドドーン
「尾張」「淡路」の主砲が再び火を噴いた。

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