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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 105

5月5日、空母「赤城」「飛龍」「蒼龍」「瑞鶴」から、淵田美津雄中佐率いる攻撃隊が発進した。その兵力は零戦25機、暴風30機(爆装20機)、九九艦爆10機、九七艦攻15機、彗星10機、天山15機の総数105機であった。
「発進!」
4隻の空母の甲板を蹴って航空機は次々に飛び立って行った。目標はアメリカ軍空母である。

「ん?敵空母発見!」
アメリカ軍の護衛空母であった。淵田中佐は攻撃隊を「エッソー・ニューオリンズ」を攻撃するものと「セントジョージ」を攻撃するものに二分した。
「ト・ツ・レ(突撃体勢作れ)」
「トトトトトトト・・・・・・(全軍突撃せよ)」
ギュウゥ〜ン
日本軍機が接近していくと
ダダダダダダダダダダ
対空機銃が狂ったように火を吹く。その中を
ヒュウゥ〜
ドドーン ズガァン
早速「エッソー・ニューオリンズ」の左舷に暴風が投下した800キロ鉄鋼弾が炸裂した。
更に
ズシーン ズズーン
左舷中央に2発さらに
ズガアァーン
左舷後部に1発、合計3発魚雷を立て続けに受け、「エッソー・ニューオリンズ」は大きく傾斜した。そこへ
グオォーン ズドゴオォーン
火炎の尾を引きながら被弾した暴風が左舷舷側付近に体当たりした。
バリバリバリ……
「エッソー・ニューオリンズ」は船体が折れゆっくりと沈んでいった。
一方「セントジョージ」も無事では居られなかった。
ザザァ〜ッ
天山から放たれた魚雷が「セントジョージ」を襲った。
ズズーン
「セントジョージ」は左舷後部に直撃を受けた。更に
ドガァ〜ン ドドーン ドゴオォーン
彗星の投下した250キロ爆弾が3発命中し、後部雑倉庫に火災を発生させた。
「急げ、火災消火だ。」
火災は一時収まった様に見えたが
ピカァッ ドドドドオォ〜ン ズズズズズズズ
弾薬庫に火が入り、「セントジョージ」は大爆発を起こした。「セントジョージ」はそのまま海底に眠った。
日本軍は暴風17機、彗星6機を失った。
「戦果次ノ通リ
・敵空母1隻撃沈
・敵空母1隻爆発炎上中、撃沈確実
以上」
と淵田中佐は空母「赤城」宛に打電した。
ほぼ同じ頃「赤城」「飛龍」「蒼龍」「瑞鶴」から残存機をかき集め編成した攻撃隊が26機発進した。内訳は零戦5機、暴風3機(爆装2機)、九九艦爆5機、九七艦攻2機、彗星4機、天山7機で、隊長は江草隆繁少佐であった。

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