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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 104

その頃、山口多聞の機動部隊は激しい空襲を受けていた。
ズドドドオォ〜ン
バババハァ〜ン
高速戦艦「比叡」「霧島」「榛名」「金剛」の主砲が四式榴弾を一斉に発射した。
その弾幕を突破したアメリカ軍機が現れると
ドッガガガガガガガガガガガガ
ドドン ドドン ドドン
各艦の対空砲火が一斉に火を吹いた。
「あぁっ!魚雷がこちらに!」
「取り舵45度!」
シャアァァー
特に狙われたのは空母「赤城」である。しかし「赤城」艦長の青木泰二郎大佐が必死の操艦をし、見事に魚雷を回避していった。
「絶妙の操舵だな……」
「感心してる場合か!続け!!」
「アタック、アタック!アタック!!」
米軍の闘志も衰えることなく爆撃機が爆撃体勢に入った。
ギュウゥ〜ン
グワァン
「!?」
突如米軍機は後方からの機銃によって撃墜された。しかし防空戦闘機ではない。なぜなら防空戦闘機は戦闘機隊が受け持っていたからだ。
「喰わせるかよ!」
ドガガガガガガガ
バアァン!
「攻撃隊が帰ってきたぞ!」
「良いぞ。叩き落せ!」
各艦の各所から歓声が上がった。
ギュウゥ〜ン
アメリカ軍戦闘機は飛び去っていった。
「あ、後方に艦影。」
後方を行く駆逐艦の見張り員が叫んだ。一瞬緊張が走る。しかし、
「安心しろ。給油艦だ。」
との声に全員が安堵した。シアトルから日本軍艦船の燃料補給を命じられた給油艦と、それを護衛する海防艦であった。
「ご苦労。」
山口多聞は補給部隊の各将兵に敬礼を送った。
「はっ。」
補給部隊の将兵も姿勢を正して敬礼した。

暫く経って各艦の補給が完了した。
「補給完了致しました。」
「うむ、ご苦労であった。」
補給を終えた山口多聞の部隊であったが、この補給隊に被害の大きい空母「加賀」を同行させ、シアトルの施設で修理と防空強化改装を行わせることとした。

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