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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 101

状況は陸軍でも同様で、戦術攻撃任務機は二式襲撃機暴風の各型(機銃多数装備の制圧機型、対戦車攻撃用の大口径機関砲装備機、通常の戦闘爆撃機型、急降下爆撃機として爆弾の搭載数を対地攻撃向けに小型爆弾多数装備に増強した機体、ロケット弾レールを多数装備してロケット弾襲撃型、複座にして対空電探を装備した夜戦型(これは「三式夜間戦闘機」として採用され、海軍も後に使用するようになった)など多種)にして、戦術爆撃系の任務を暴風に一本化するという大胆な施策が行われた。
なお、高高度戦闘機に関しては、ドイツから輸入した工作機械で生産したハ140などを装備した飛燕のほうがハ104装備の暴風より優れているとされ、飛燕の生産が優先された。
まだ日本の技術力では、排気タービンはなかなか満足のいく物が出来ず、インタークーラーなどを省いた簡易版使い捨ての代物さえも完成が遅れていた。(実はアメリカでも使い捨て同然だったのだが)国産空冷発動機の高高度性能向上には今しばらくの時間が必要だった。
軍需省と空技廠は長距離爆撃機の試案を作り5試長距離重爆撃機「坤山」と名づけ、試作機を作った。中翼単葉で二重反転プロペラを両翼につけたものである。機銃は機種固定30ミリ2丁、両翼に30ミリ各1丁(つまり2丁)ずつ。機体上部の台座に20ミリ1丁、機体上部に20ミリ斜め銃2丁、後部台座に20ミリ1丁。側面台座に7,7ミリが2丁ずつ合計4丁(合計で30ミリ4丁、20ミリ4丁7,7ミリ4丁)。最高時速は時速560キロ、爆弾搭載量は6,5トン(800キロ魚雷なら8本まで)というものであった。

暴風の雷撃型は順次既存の雷撃機、特に九七艦攻と交代させていく予定である。また、重戦闘機型は時折戦略爆撃機が飛来する上海、南京の両基地に置かれることとなった。
制圧機型はアメリカ本土西海岸で戦っている機動部隊に直接送ることとした。
暴風の重戦闘機型が活躍する場面はすぐにやってきた。成都基地から104機のB29が南京を襲った。
「敵機ラシキ機影見ユ。」
「全機発進!」
ギュウゥ〜ン
ギュウゥ〜ン
「敵機!」
ドガガガガガガガガガガガ ズズゥーン
バリバリバリバリバリバリ ボウーン
30mm4門が一斉に火を吹きB29をバタバタと撃墜した。

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