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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 98

その出来栄えは現役の海軍/陸軍飛行士らが見ても非の打ちどころが無く、戦後この映画は異例ながらも映画祭で数々の賞を受賞、それは特撮が子供騙しから芸術へと認められた事を意味していた。
「葵川司令官は先見の明があります」
「確かに……海軍将校ですが戦車戦術を研究するなんて自分にはそこまで考えが至らない」
「私もまだまだですね、戦車は陸戦の万能兵器ではない……紫の書はあくまで戦車同士の戦いを想定したものです、その脅威が航空機でしょう」
「?」
「ヘリコプターはこの先対戦車の要になります」
「確かオートジャイロの発展型の次世代航空機ですね」
既に日本帝国海軍でも潜水母船部隊の艦載機として運用されているが機体が小型故に連絡や小規模の荷役しか出来ないので海軍内では水上機/飛行艇優位論がある。空中静止や急上昇/急下降もその場で出来るので前線での運用も容易だ。
「YAMATO型では艦載機として使っていると聞いてます」
手塚の言葉にフラーは続けて話す。
「ナチスドイツは対戦車ヘリを開発していると推測してます」
「ソ連との戦車戦の結果ですね」
何とか勝てたがナチスドイツの損害も経過出来なくなり航空機で効率良く戦車を倒すにはヘリコプターが最適である事はフラーも感じていた。





それはナチスドイツ軍に参加し自身が感じていた……海軍だって戦艦開発/実用化を進めた一方空母だって開発し実用化した。戦車は戦車で無ければ倒せない訳ではない、戦車を倒す手段は幾らでもある……紫の書はあくまで戦車戦術の基礎である。


長野から東京に戻ったフラー達はロンメルと合流、彼は自ら中野陸軍士官学校の教鞭に立ち戦車隊の運用を教え時には現役と士官候補生と交えて論じる程熱の入れようだ。海軍将校の橘もその場に居る事も多かったが彼は聞き役に徹していたが補給論になると海軍の立場を考えての論争に参加している。

戦争は全てが連動する、軍が仲違いするようでは何時かは取り返しがつかない事態になるのだ。



橘次官はその日も論争をして何時のも料亭へと足を運ぶ。
「お連れ様は既に、腹が減ってましたので御任せを」
「そうか……」
何時のも離れにはフラーと手塚、そして円谷が待っており立ちあがり敬礼をする。
「橘次官殿、御先に頂いてます」
「よいよい……順調に進んでいるようだな」
「はい、戦車開発も弾みがついてます」
フラーの表情を見ても意気揚々らしく橘次官もホッとしている。
「次官殿のご要望に沿えるかどうかは自信が無いのですが東宝に出入りしている元同僚から預かって来たモノです」
製本された紙の束の表紙には機密と門外不出と表示されたハンコが捺されている。それだけに物々しい。
「“G計画”……ふむ」
「極光艦隊をモデルにした空想冒険作品を考えてみました、相手は怪獣です」
「恐竜を相手にするのですか?」
「謎の超物質を浴びて巨大化したと言う事ですが詳細になると決め手が欠けてまして」
円谷も考えたがこれだと言うアイデアが出ずにいた。
「……円谷殿は核物質を知ってますか?」
「お恥ずかしいながら……」
「レントゲン撮影を可能にする物質ですが加工次第では一つで都市一つ破壊する爆弾になり、爆風と業火を出した後にその場に居る人間を苦しめる事になる高濃度放射能線を出し続けます、それが核物質爆弾です」
「「!!!!」」
医者でもある手塚はギョっとする。
「日本海軍が総力もって米本土に爆撃をした最大の目的は米国に核物質爆弾を実用化を進める研究機関を爆撃する為です」
無論この情報はフラー、手塚、円谷の三人は詳細は初めて聞く。
「結果は成功、ロモアラモスは壊滅しました」
「核物質が多用されたら生物に影響は?」

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