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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 1

 照和十四年

この世界に来て三十数年……後世世界と言うべきこの世界も自分がいた”前世世界”と同じ道を歩もうしていた……だが、自分と同じように前世の大東亜戦争の記憶を持つ者が多くおり、中には昭和の終焉を体験した者も少なからずいて、彼らと共に研究会を立ち上げある計画を実行した。

 海軍総本部大会議室にて怒号が飛び交った。

「大和級を空母にするだと!!!」
「はい……我々が提案するのは空母艦載機による打撃……戦艦による決戦は何れは廃れます…米国は超合理主義国家、我が海軍は戦艦ばっかしに力を入れてますが……独逸も伊太利亜さえも空母建造に乗り出しており、米国でもその動きはあります」
「橘次官……それは…」
「総理……”戦艦による海戦をしましょう”と言っても向こうは応じてくれません……戦艦のこれ以上の増加は”源平合戦”のような物、来るべき戦争は”戦国乱世”です」
先程の海軍大将の男は唖然としていた。
「戦国時代に我々の祖先は火縄銃を手に入れ、戦術はかわった……この来るべき戦争のステージは太平洋を初めとする外洋……貴方の頭ではこの国が星条旗に屈する事になります…精神論では兵器が万全に動けるのではない」
橘 慶介はぴしゃりと言う。
「朝鮮と中国の関東軍縮小もか!」
「そうです、中国の統治支配をするなぞ愚の骨頂……共存共栄を目指してもらいたい」
「貴様!!」
他の将校が声を荒げる。
「我々は欧米とは違う!本当に開放者にならないと……日の丸も他の亜細亜の国の国旗もこの歴史の舞台から消える!米国はそれを狙っているのです!」
「勝算はあるのかね?」
総理は尋ねると橘の横にいた人物が言う。
「独逸と伊太利亜は全体主義国家……米国は日本もそれに見なす為に日独伊三国同盟を締結させるように仕向けてきた……」
「条約を破棄して独自で戦えというのか!」
「無謀だ!」
「我々は朝鮮と中国、南洋諸島の同胞の命運を握っている!」
橘の声が会議室に響く……その声の質はまさしく主砲の一斉正射に近い。
「米国は第三帝国を倒す為にまず日本を狙ってくる、統治下に置けば高い工業水準と拠点が出来る……これはソ連を見越しての戦略だ」
「……つまり、巧くいけば米国は独逸と日本を一辺に相手に出来ない…講和に持ち込めるというのかね?」
政府の高官の一人が言うと橘は頷く。
「その為にも日本を亜細亜のリーダーにしなければなりません……軍閣独裁政治を無くす事から始めましょう」

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