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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 89

「陸軍と空軍が息巻いてますが」
「ほっておけ……戦線が拡大している事を考えるとスレイプル型を増やし運用も見直す必要もある」
今回の作戦は潜水空母と言う全く新機軸Uボート“スレイプル”の実用性をアピールする事が出来た事が救いだ。




極光艦隊は回収された独逸機を速やかに日本へと送る手筈を整え、捕虜の取り調べも進められた。
「驚きました」
「うむ、正しく潜水空母……今回の事で甲板装備型Uボートが実用的と証明されたら第二パナマ運河要塞あるとは言え油断は出来ないぞ」
「ナチス独逸第三帝国海軍は今後あの様な艦種を増やし印度洋に」
「可能性はある、我が海軍の潜水補給艦と同じ発想だ。今の海上戦艦も動力源の問題さえ解決できれば海底軍艦化出来るそうだよ」
「はは、上村船長の親父さんが執筆する海中戦艦宛らになるのですか」
「うむ……一石博士によると十年後には飛鳥の動力源も変わるかもしれん」

「噂の原子力エネルギーが実用化されるのですか?」
「うむ、商業レベルとなると課題がある。その器具や燃料からでる廃棄物が人体の生命活動を奪いかねない物質が出る……一石博士はその為に我が国の地質学者に地震学者との協議をしているらしい」
「はい?」
「その廃棄物の保管個所に廃鉱山を利用するらしい、だが我が国は地震国だ……かと言って亜細亜各国にこれを押し付ける事は将来に遺恨を残す。その為にも私としてはむやみやたらに海軍艦艇に原子力を活用する事は避け原子力は潜水艦に留めるべきと進言している。人間心理面から見ても運用にはそれなりの覚悟が居る」
「亜米利加海軍は既に使っていると言う噂ですが」
「地理的に廃棄物を捨てやすいからな、あの国は。海上艦以上に力を入れて来るだろう」
ワルダー機関も燃料を補給する必要があるが原子力は数年は補給せずに済むがその分潜水艦の乗務員は今以上に精神力を求められ学力も要する。葵川はその意味で飛鳥の動力源は今のシステムでよいと考えている。
軍隊とは巨大な官僚機構であり、社会の縮図だ……その意味を思えばむやみやたらに原子力を動力として推し進めるのなら有害とされる高濃度放射能線対策をしなければならない。
「我が国も原子力推進潜水艦を開発するのですか?」
「うむ……しかし我が国で採れるウランは極少量とも言われているからよくは知らんが実用的ではないと見ている、次官がどうも嫌がっていてな」
何しろ前世広島の惨状を目の当たりにしてその記憶があるのだ。次官は航空機開発を推し進め、特に高度迎撃機開発は熱心でユダヤ人の亡命や反ナチス独逸第三帝国派の亡命も進言、富嶽も原子爆弾研究を潰す為に開発されたとも過言ではない。原子爆弾での米国爆撃はもってのほかである……仮にすれば日米に多大な問題を引き起こしかねない。


シンガポールでも格式を持つホテル“ラッフル”……その一角にて日本、イギリス、アメリカの国家首脳が集結していたのである。
「これがロモアラモス原子力研究所職員及び防衛隊所属将校のその後です」
トルーマン大統領も当時は副大統領でその現状は身を持って知っていた。
大統領になってもあの時の被爆者らの調査は継続されており、これが大都市であれば絶望的な日々になっていた。
「大統領……なぜこのような事を」
「これは我が国だけの問題ではないのです、ヒトラーは何れ核を使用します。あの男は核の恐ろしさを知らない……」
日本国首相も英国首相も無言になる。卓上にある目録が本になっているのだ。
「大統領閣下、提言があります。ヒトラーの寝室に討ち入りしてみませんか?」
「?」
「亜米利加には特殊部隊があると聞いてます、英国のSASと我が国の鴉隊での計画に是非亜米利加軍の底力を」

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