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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 79

当初こそ極光艦隊司令官起用に彼にするには海軍内からも批判も出たが相手はナチス独逸第三帝国、同盟時代に戦車や携帯対戦車墳進弾技術を見ただけでも海軍では劣っているとは言え脅威で従来の思想を持つ海軍将校も及び腰になり、いっその事自分が引きうける事も考えたが葵川の性格を人づてながら聞いて橘次官に薦めたのである。その判断には狂いはなく寧ろ予想を斜め上の戦果に海軍内でも唖然としている。
「司令官、対潜哨戒網に反応ありです」
「対潜戦闘配備……友軍艦と間違えるなよ、警告爆雷用意!」
ユ号潜や拿捕したUボートを亜細亜各国海軍に授与した為に同士撃ちの危険性が高まり警告爆雷を投下する事を徹底、友軍の潜水艦側も直ぐに警告深度まで浮上する。実際に拿捕Uボートの練習航路にも近いので念には念を入れる。
「爆雷投下!進路と深度変更!」
東郷からの随時報告が入る……織田は冷静に言う。
「大和より入電、新たな反応!右舷から魚雷、数4!」
「右舷射出型遊撃爆雷“越前水母”射出!爆雷による揺れが来るぞ!艦載機及び艦内備品の固定確認!」
「亜米利加ですかな?」
「独逸もあり得るが……」
建御雷は左へと舵を切り、三笠型航空海防艦各艦も遊撃型機雷を発射する。機雷の一つが反応すると連動して反応し水柱が起き魚雷を狂わせ迷走させた。
「魚雷迷走!」
やがて魚雷は燃料が尽きて海中へと沈むだろう。
「警戒を怠るなよ」
「艦長、実は反応したのは磁気反応で駆動音は聞こえませんでした」
東郷の乗務員からの報告を受けた織田は何か嫌な予感がした。
「艦長」
織田は艦長に耳打ちすると直ぐに彼は暗号文を作成する。

彼もまた橘のグループの一員で前世からの転生者であり海軍改革での旗振り役が表の顔だ。
「(磁気反応のみと言う事はモーターでここまで出せるか……原子力か?)」
米海軍も遅まきながらもワルター機関の実用化にこぎ着けたが日本やナチス独逸第三帝国に比べると遅れている、潜水艦の艦長こそはしてないが立場上潜水艦に関する知識は一応持っている織田は卓上に広げられた海図に失探した個所にチョークで画く。
「(米国の事だ、原子爆弾よりも原子炉の小型化にシフトを置いたかもしれん)」
それはナチス独逸第三帝国も同様の動きがある事は予想できる、日本も一石博士の事アインシュタイン博士らが中心になって原子力の平和利用を研究しているからだ。米国や独逸は軍用から転用する腹だ。
「司令官、大変です。天照の方も襲われました!」
「何?」
「松型駆逐艦二隻が雷撃を受けて撃沈、やはり磁気反応のみで駆動音が察知できませんでした」
犠牲者も相当出ただろう、織田は舌打ちをする。司令官の伊賀 浩二郎中将も険しい顔が織田の脳裏に浮かんだ。
「連絡を取れるか?」
「待ってください、伊賀司令官からです」
受話器を取ると織田は言う。
「こっちも雷撃を受けた、恐ろしいほど足が速い」
『ああ、しかも音がしなかった……お陰で黒松と白松が沈んだ、乗務員の方も何人かは……』
「もしかして源潜かもしれんぞ」
『それは俺も思っている……亜米利加の方と思うがね』
「とりあえずそちらに合流する」
だが亜米利加も布哇での停戦/講和会議の最中にこの様な事をするだろうか?いや亜米利加海軍太平洋戦線方面軍は白亜宮殿(ホワイトハウス)の連中と反目している情報もある。
仮にあの潜水艦が米国原潜なら即講和になり、太平洋戦線の軍首脳陣は軒並み左遷される。原子力に関してはやはりあちらの方が開発をリードしている。
「葵川の方にも知らせておけ……新型の恐れありと」
「はい」
織田は全艦に準戦闘態勢を取る様に指示する。



海中深く静かに進む潜水艦の発令所にて聴音手が首を横に振り、ヘットフォンに耳を当てた艦長は言う。
「ノーチラスはこれよりダッチハーバーに向かう」
「待ってください、ビックGを追跡しないですか?」
「貴方は何も分かってない……ユナイテットステーツとほぼ同格のタケミカズチを仕留めたいのならこのノーチラスが使用する原子炉を今のガトー級に載せ替える必要があります」
情報将校でも船の事は艦長に委ねられる。しかも原子力を使用したこのノーチラスに姉妹艦ネモは拿捕される事は非常に危険なのだ。

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