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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 68

米国にしては力押しの戦術ではなく綿密な戦術、後に“大西洋鮫漁作戦”と命名された米国大西洋艦隊によるUボート拿捕作戦は嫌な応でも敵潜水艦内の制圧戦になる事が多かった。Uボートの大量拿捕は確かにナチスドイツ第三帝国海軍を叩きのめしたが同時にどうやって制圧されたのか察しが付いたのである。ガスによる制圧戦なら元祖であるドイツの軍技師達は直ぐに対策を練る事になる……出された結論は潜水器具を背負って対処せよである。
潜水艦内は狭い……その上パイプやらがむき出しになっているのも当たり前である、実証した結果は散々なモノであった。結局は陸軍が使用する防毒マスク提供で落ち着いたのである。次は防御面であるがこれはSMGや大型拳銃での対処する事になり、異例であるが銃剣も装備された。跳弾による二次災害を防ぐ目的もあるので至近距離での発砲を心がけた。最もナチスドイツ第三帝国海軍は最後まで何故拿捕された潜水艦が敵艦に所在がばれたのか分からずじまいであった。


「戦死者は四名か」
「はい」
「遺体は直ぐに飛行艇で本土で輸送します」
作戦終了後時には拿捕したUボートの数は十隻、制圧戦に臨んだ海兵隊からは四名の死者が出たが更新されたばかりの暗号解読表が手に入った事は大きかった。
「よし、一冊を極光艦隊に渡すぞ」
「しょ、正気ですか!」
「対ドイツ戦はコマがあったほうがいい……」
「しかし例の弾頭が」
「私が行こう、マスタンクを用意してくれ」
ユナイテット.ステーツの船長が副長に伝えた。この事はホワイトハウスやペンタゴンには事後報告になるが最終的には黙認されたのである。


数時間後、極光艦隊の前衛艦隊旗艦瑞穂はしきりに“コウセンノイシナシ、キカンアスカニツウシンツツヲトドケル”と言う発光モールス信号を発信するマスタンクを発見、しかもランディングギアまで下ろしての飛行は戦う意思が無いと言う合図だ。
「撃つな!各砲座待て!!!」
「はい?」
「通信筒が付けられている、飛鳥に連絡」
瑞穂の船長はマスタンクに付けられている通信筒を見て叫んだのである。
マスタンクは前衛艦隊を通過、そして低空飛行に移る……ユナイテットステーツの艦長はこう見えても元海軍航空士で無頼者と呼ばれた猛者だ。日本軍が使うあの弾頭対策や高角砲を考えた結果海面スレスレの低空飛行を選んだ。ランディングギアに波しぶきがかかっているが昔はよくやっていたから慣れている。飛鳥が見えるがギリギリまで飛行する……確かにデカイ、そして異様だが海軍船長としても見ても工業製品の様な友軍戦艦と比べると美しく見える。
「クローズドバウか」
機体を急上昇させそのまま宙返りすると狙いを付けて通信筒を落とした。対空砲座やミサイルランチャーが動いていたが発砲は無かった。
「なに!」
マスタンクのエンジンから煙とエンジンオイルが噴出、プロペラが止まりそうになる。極光艦隊に同行しているアークロイヤルの艦載機が二機が囲みハンドシグナルで自分達の母艦に下ろす為に誘導をするそうだ。
この機体はレシプロエンジンの出力を上げるガス“ニトロ”登載の試験運用機であり、ドイツ空軍の一部エース部隊でも使っている噂だ……米国航空研究会によりシステムは完成していたが空軍や海軍はエンジンが壊れる事を恐れて使用を控えていたがここん所ドイツ空軍の猛攻に使わざる得なかった。先程低空飛行をした際に使用したが使い過ぎたようだ……艦長は何とかアークロイヤルに着艦する事が出来た。


艦長はアークロイヤルの艦長と話していると葵川が顔を出した。
「貴方が通信筒を届けたパイロットですね、極光艦隊司令官葵川 吉宗中将です」
「米国大西洋艦隊ユナイテットステーツ船長、ジョージ.ハリソン大佐です」
敬礼をしたハリソンに葵川は頷く。

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