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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 65

「問題ありません」
「畝傍(二代目)は最悪の場合、ドック修理になる、その際には安将丸の任務は洲離蘭化(スリランカ)空軍の航空士指導、船長以下乗務員は同国海軍士官航海演習補助を頼みたい」
「お言葉ですが航空士はかなり癖が強い者ばかりな上に……96式の様な航空機しか扱ってません」
「洲離蘭化(スリランカ)の経済力や義務教育の指数は木零でも高値の花でね……96式はこの国の空軍機で一線仕様になっているんだ」
確かに旧政権では亜細亜各国に傀儡政権を作る下準備としてかなり軍事援助しているが教育や経済力、資源やら指数化していた。洲離蘭化はお世辞にもあんまり教育指数が高くないのである。
「了解しました」
その後、通訳として外務省から出向した印度方面語学専門役人が数人が派遣される事になる事を通達された。畝傍(二代目)は印度の新出離(ニューデリー)基地にある印度海軍工廠での修理を意味していた。
独逸商船団は紅海に入り地中海艦隊とすれ違う……だがこの時、地中海艦隊は伊太利亜海軍が所属する艦艇しかいなかったのである。


グラーフツェッペリンでは極光艦隊を倒せない……総統府は海軍大臣の独断専行に驚き慌てて海軍首脳陣を拘束し一時的に海軍省に統合参謀部の若手将校らに委ねていた。
「まったく……私の専門は艦艇設計ですよ」
「お前なら総統閣下とは実の親子の様なもんだろ?」
「単に親父が熱狂的に政治にのめり込んだのに過ぎないさ、最もあんな事あればそうなるが」
マインフェルト.ライコネンは艦艇設計技師であり、独逸海軍の空母やら戦艦開発にも関与した逸材だが父親が陸軍参謀長を務めている関係上、士官学校に放り込まれた。そして本人の意思とは裏腹に参謀としての才能を見せていたのである。因みに総統とは彼が駆け出しの頃から家族ぐるみでの付き合いがあるらしく、今のドイツ社会ではかなり有力な家柄になっている。
「確かにね……だが子供の頃に知っているとは別人だよ」
「別人?」
「まだ総統閣下が政治の世界で新兵だった頃とは……兄がそう言っていたよ」
「マインフェルト、グラーフツェッペリンの状況だが艦体に被害は左程ない、艦載機も補充済み」
「ただし戦艦群は被害が甚大か」
「一隻は作戦行動困難だ、艦橋を失った。自沈させるかどうか判断してくれ」
「地中海まで待避する事が出来るか?」
「米海軍の動向次第だ」
「地中海艦隊は二つに分けたがイタリアを見捨てる気か?」
「日本海軍がノッてくれば……」
ファシスト国家もそうだが共産主義国家の海軍、ソ連海軍もこの大戦では実は恵まれてない……これはソ連の地政学の要因が大きいがロシアの地にある国家は昔から不凍港への憧れが大きく日露戦争の日本海海戦の原因も不凍港への拘りと言える。ソ連海軍の艦隊は大戦前に黒海艦隊と太平洋艦隊が存在していたがスターリンは黒海艦隊に偏って近代化していた、スターリンはナチスドイツ第三帝国との相互不可侵条約を完全に信じていたがあっという間にヒトラーはソ連に侵攻、ナチスドイツ第三帝国軍がモスクワに進んだ際には混乱により黒海艦隊は白旗を揚げた……最もこっちも実戦配備したてのグラーフツェッペリンやらアクイラを主力した本国防衛艦隊を黒海封鎖し陸軍に黒海艦隊の本拠地を落として貰った。
「プロジェクト71か」
「ソ連の航空母艦がほぼ無傷に手に入ったのは大きかったですね」
1939年、ソ連海軍も航空母艦建造計画に乗り出すがスターリンは陸軍出身で空母に関しては余り重要性を認識せずと言うよりも側近らの陸軍出身者が多かった事やナチスドイツ第三帝国との葬儀不可侵条約を信じ切っていた事が海軍への予算配分を最小限にされた事が大きく、プロジェクト71の航空母艦建造は資金不足と言う苦しい中進められた。ソ連海軍内も黒海艦隊と太平洋艦隊の軍資金の奪い合いが起きていた中を思うと良く進水式まで完成にこぎ着けたと思う……しかし全てが遅すぎた。プロジェクト71の事ソ連海軍初の航空母艦であるポチョムキン=ダヴリーチェスキー級一番艦ポチョムキン=ダウリーチェスキーはナチスドイツ第三帝国の手により艤装されて地中海艦隊の潜水母艦を兼任する形で運用している。
「問題の二番艦は太平洋艦隊ですが」
「問題は無い……この船の航続距離は短いからな」

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