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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 6

「飛行爆弾?」
「無線誘導による操縦です……これも総長が技師や熟練工の兵役即時免除を打ち上げ、ユダヤ人の技術提供があっての事です」
艦長となる上村 正次郎は横にいる技師士官からの説明を受けていた。
「こんな新機軸を俺に任すつもりか?」
「はい……元々艦前方にある三連カタパルトは大和級への搭載も検討されてます」
「なるほど、新造艦を作りよりも拿捕されたこいつらを使うのは墳進弾の為か」
「はい、開発は順調に進んでます。何れは宇宙旅行が出来るようなモノにしたいそうですよ、総長は」
上村はふと思う、総長も首相も米国との戦争を適当な所で付けるつもりだ。
思えばこの戦争は国民を恐ろしいほど煽動してない……クーデター後に実施された軍部改革にて新設された情報部にいる同期によれば国民の煽動がやがて軍の窮地を招く恐れがあるからだ。確かに日本は戦略資源は無い、その確保の為に亜細亜各国を独立させ“近代化制度”援助をしている。朝鮮半島は高麗共和国として独立させ、中国も満州国を初めとして複数の独立させた。
「種子島にある墳進機関研究所は行けるのか?」
「手配しましょう、艦長は現場運用の最高責任者です」
傍にいた伝令兵に書状を渡した技師士官は言う。
「ネームシップは米軍のままにするという事です」
単にネームシップを変えるのが面倒臭いのかそれとも米政府に返却するのか……返却するにしてもあちらさんの海軍首脳は沈めるだろうなぁ。
「聞けば大和級の設計変更すると聞いては居るが」
「担当ではないので詳細は不明ですが艦尾は延長されているそうですが紀伊級は戦略空母へと設計変更されると」
「戦略空母か……」
戦艦空母構想……それは戦艦主義に走ってしまった旧体制時にほぼ戦艦として建造が進んでいた主力戦艦を空母機能を付与させ、戦略空母をメインにした艦隊を編成するのが目的である。その為か航空機開発はユダヤ人科学者や技師らの協力もあり飛躍的に発展、先の開戦時にB−17編成すら全滅させているがユダヤ人技師らは更に高度を飛ぶ爆撃機が出てくる可能性を示唆している。超零はその為に開発された……零戦よりも航続距離が短いが駆け上がる速度は速い、自分は偶然にも離陸した所を見たが素人目にも分かる。
「航空機墳進機関はナチスドイツでの研究が先行してます」
「航空機にも積むつもりか?」
「高高度を飛ぶにはもってこいなんですよ……」
技師士官は苦笑しつつも彼と共に歩み始めた。


「防空巡洋艦も進んでいるのかね?」
「はい、既に配備している巡洋艦には高射角砲の換装を急がせてます……当然あの船の武装も一部変更になります」
「そうか、それにしてもここまで戦艦空母を進められるのも大したものだな。陸軍も良く納得している」
「大陸や南洋に居る陸軍は海軍無くては活動は出来ない、それどころか本土にも帰れないですからね」
「豪州上陸戦の計画は現段階では検討段階だ」
「はい?もっぱらの噂になってますよ」
「英国本土陥落の際には亡命政府が出来る候補国だ……ユダヤ人らが上海で仲介している」
「米国の同盟国です、そう簡単には」
「これは私個人の考えだがパナマ運河さえ封じられたらどうなる?」
「確かに……太平洋へと出るには南米大陸先端まで下る必要があります」
アメリカには大陸横断鉄道があるが効率的に考えれば船舶による運輸が万全だ、その為にもパナマ運河を壊滅された時にはオセアニア方面へと展開した米陸軍は地獄を見るハメになる。
「(パナマ運河を真正面で攻撃するには艦隊を動かすのもリスキーだ)」
上村はそう考えていた……だが、数日後。軍参謀部経由で海軍飛行隊所属の超一式大艇 富岳と呼ばれる大型飛行艇数機によりパナマ運河壊滅成功と言う知らせを知る事になる。開戦前からある一派が計画し極秘建造されている飛行艇がある事は知ってはいたが……。
「艦長」
部下である副長も困惑を隠せないでいた。二人は今種子島へと向かっている一式連絡機と呼ばれる航空機内にて座っていた。
「もしかすると、我々は欧州へと派遣されるかもしれんな」
「は?」
「噂の域を越えては無いが英国としては今の日本なら状況次第では手を組んで恥を曝した方がいい、ちょび髭伍長上がりの独裁者の屈する事は英国政治家にしては汚点だ。子孫代々に及ぶ」

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