PiPi's World 投稿小説

戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 47
 49
の最後へ

戦艦空母艦隊 49

同島の攻略戦は英国印度を主体にする亜細亜派遣軍に加えて英国印度駐留軍の傭兵になっているアメリカ元オーストラリア派遣軍が参加する事になる。この事態に関しては流石の高崎首相も唖然としたが最高指揮官との水面下での接触により日本軍との戦闘の意思は無い事が確認されている。極光艦隊は基本的にはこの攻略戦に参加する事は無いが状況下によっては艦隊の一部を差し出す事もある。

印度洋を突き進む中……前衛のア号潜よりUボート発見を知る。
「送り狼捕獲作戦を開始する、前衛旗艦の瑞穂に下命!直ちに猟師を送れ!」
葵川は後方に居るアークロイヤルとプリンスオフウェールに発光モールスで合図する。
「船長ガハナシワカルヤツトイイデスガネ」
ハルトマンも腕を組んでいた。
「それは私が言いたいが……通訳を頼む、独逸語は聊か苦手でね」
「リョウカイデス」
飛鳥の艦橋は慌ただしくなる。


極光艦隊は遊撃隊と航空基幹艦隊で構成される前衛艦隊と司令艦隊に分けられ英国海軍のプリンスオフウェールスとアークロイヤルにアテナ級イージスは司令艦隊に組み込まれている。前衛旗艦である瑞穂は千歳型水上機母艦の準同型艦でこれは空母戦艦化された異例の大改装艦で主要武器はイ号墳進弾を装備した航空巡洋艦である。何しろ船体延長工事となると米国拿捕戦艦改修以来の大仕事で担当した陸奥海軍工廠の技師官や工員らの日夜突貫作業の賜物である。斜飛行甲板を持つ装甲空母でもある。
「総旗艦より通信。作戦を開始せよと言う事です」
「よし狩鷹を出せ!」
この狩鷹は水陸両用艦載対応対潜哨戒機であり、ハイドロスキーにより離着水を外洋でも可能にしている。飛行艇/水上機王国の日本海軍でも珍しい存在である。
このハイドロスキーにより狩鷹は水上機母艦での運用も可能にしており、極光艦隊だけではなく日本周辺海域や亜細亜各国の海域での対潜哨戒を可能にしており日本海軍の様に空母を持ってない亜細亜各国の海軍でも運用できる機体でもある。実際亜細亜各国の対潜機は日本海軍が使用する機体であり、特に多数の離島を持つ国にとって飛行艇や水上機は必須な装備である。
「ア号潜と間違えるなよ……各潜はターゲットの位置を補足しておけ」
「海坊主はどうだ?」
「全員大丈夫です、今回からは極東画瑠差位武(きょくとうエルサイム)の機関拳銃(SMG)を使用します」
「うむ……機関拳銃か、亜米利加のモノよりはコンパクトだな」
先の大戦は欧州が主戦場になり塹壕戦による膠着状態が続いた。最大の理由はこれまで使用していたライフル銃では至近距離での戦闘には余りにも出来ず、銃剣による格闘も当たり前になっていた。無論機関銃も持ちこまれたが支援火器に過ぎなかった。
セミ.オートマチックピストルから発展したのがサブ.マシンガン(SMG)であり、日本陸軍も戦後注目、機関拳銃の開発も考えた程で、意外に思えるが海軍も艦内での戦闘を考えると機関拳銃は魅力的であり陸軍に先駆けて研究会を発足させた程で参考にしたのは禁酒法施行時代に日本のワインを密輸出を図ろうとした亜米利加ヤクザ(マフィア)や彼らを追いかけて来た亜米利加連邦捜査局(FBI)の捜査官が使用したトンプソン.サブ.マシンガンである。後に大黒倉庫街大銃撃戦事件として語れるマフィアvsFBIの大銃撃戦の際には海軍陸戦警備隊と陸軍歩兵部隊が介入する事態になり、その際海軍陸戦警備隊がどさくさにまぎれて入手したのがこのサブマシンガンであった。その後ナチスの迫害を逃れたユダヤ人を受け入れが開始し多くの技師が日本軍に協力を申し出た。そして極東画瑠差位武共和国(極東えれさいむきょうわこく)建国へと動き始めた頃にウジ.SMGが誕生、建国と同時にEMI(エレサイム.ミリタリー.インダストリー)が設立され亜細亜各国に採用され始めている。
「出来れば使わず済めばいいですがね」
「……予備のア号潜で艦内制圧訓練したとはいえ通用しますかな」
この艦内制圧訓練が後のハイジャク対策のセオリーになる事は言うまでも無い。


狩鷹はア号潜の誘導により海域に飛来する。
「味方艦と間違えるなよ」
「分かっております、ア号潜の反応パターンは叩き込んでおります!」
機長の言葉に部下の曹長の言葉がイヤホンに聞こえた。
「反応らしきものがありますがはっきりしません。航跡測定式潜水艦赤外線探知装置を使います」
「了解した野原准尉、手が開いているなら手伝え」
「了解です」
「野矢、スイッチをいれろ」
「はい」
野矢は画面を覗き込むと波長が出た。
「機長、真下に反応!誘導を開始します」
印度洋の荒波でも怯まず機長は狩鷹を着水させたのである。そして機内にある水中聴音装置を海中へと下ろす……これがこの機体の特徴であり高精度で潜水艦を判別、言わば対潜哨戒機と駆逐艦のいい所取りである。これには友軍潜水艦への誤攻撃を防ぐ為の方法でもあるのだが。
「反応あり、敵潜間違いありません!」
「特殊魚雷“竜宮使魚”発射!」

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す