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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 37

無論ルッシュドバッフェ(=独逸空軍)の威信にかけても成功させる必要がある……だがゲーリングも米軍がその首都東京に奇襲をかけた結果は知っている……どっちみち全機未帰還でも広報部の役者達に勲章を授与するだろう、彼には諦めに似た感じになっていた。


富嶽は大西洋に出て第0連合艦隊の会合地点へと向かう。既にB−34デビル.フォートレスは方角から見てアイスランドか米本土へのコースを取っている。別れ際に互いに健闘を称えあった、国際モールス信号でのやり取りであったが……写真撮影はされているだろう、こっちも飛行中のB−34を撮影している。
「少佐、進退伺を出すのですね?」
「ああ、不可抗力とは言えこの機体を撮影されたからな」
重要な軍事漏洩だ。彼はこの先を考えられなかった。


大西洋某所にて第0連合艦隊からの給油を受け、マーシャル諸島にある土浦/大津隊が共同で使用している秘密基地まで跳ぶ事になる。機密確保の為に敢て南洋にある島々に秘密基地を保有しているのが後世日本軍の特徴であり、クーデター前に橘らが民間人の協力も得て設営していたのである。これには亜米利加の会社(=カンパニー)も戦後まで分からず、その答えを聞いた元工作員は納得した……日本はシーパワー国家である事を失念した当時のラングレー上層部の責任であると。


日英同盟の復活は日本には何も損害無く旧植民地の印度や印度洋が対独逸反攻拠点として活用できる……英国としては亜米利加が何時切り捨てられるかの恐怖により今回の独逸原爆工場爆撃作戦に日本も巻き込む事が出来たのはうれしい誤算だ。
「しかしまぁ、現場レベルでは既に交流を始めてますなぁ」
「印度にあるプリンスオフウェールスも呉で大改修する事が決まったよ」
「あ、あの大和級航空戦艦の……凄い事です!」
潜航に入ったイ2000 豪天号の艦橋にて司令官が船長に話していた。
「その為に長門がエスコートする事になる」
「Uボート対策ですね」
「それと対独逸討伐英国救援艦隊も近く公開される。旗艦は飛鳥型超弩級戦艦“飛鳥”だ」
「飛鳥は航空戦艦ではないのですか?」
「将来的には空母改修も検討されているがこの戦争が終わって我が軍の空母保有率や軍縮条約次第だ。動態保存して保持する案もある」
「色々と大変なんですね」
「この艦隊も任務内容が変わるかもしれんな」
そう、第0連合艦隊の主要任務は対米警戒であるが島嶼攻略の際には海軍陸戦隊を潜水多目的輸送艦イ900潜で輸送する……これは真珠湾攻撃後に布哇諸島の各主要軍事施設を占拠した時がこの部隊の初陣であり、米軍海兵隊や陸軍はなすすべも無く降伏するか撤退するしかなかったと言う。陸戦隊は陸軍からの志願者が多く関東軍出身者も少なくないので本格的な陸戦も出来るがそうならない様に善処している。
「将来的には戦車も運ばないといけないからなぁ……」
「大変ですね」
「独逸がここまで強くなれたのは新兵器開発を進めたからだよ……幸いな事に海軍は少し劣っているが油断しない方がいい。印度では海軍が補給や情勢を握る事になるからな」
「は?」
司令官が印度の地図を広げる。
「海を陸地の延長と考えてみろ」
「あ、もしや」
「陸軍が研究している夜狼機甲師団が独逸軍を徴発し誘いこむ、主力の後方に海軍陸戦隊が先発して上陸地点を確保出来れば……」
「すごいです」
「これも独逸亡命将校や士官を受け入れた効果だよ、最も独逸には超大物将校が居る」
「ロンメルですか?」
「そうだ、ロンメルがこの事を気がつけばダメになる。それを防ぐには電子戦も必要だ」
「通信妨害ですか?しかしこれでは部隊間の連絡には従来の伝令兵が必要です」
「その為に地形を把握する必要があるが首相はこれを亜細亜各国国土測量支援として実施しているのだよ」
「策士ですね」
「国土の測量は国の礎だ、鉄道や道路を敷設するにも必要だからね」

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