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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 29


「作戦行動を中止ですか」
「ああ」
武蔵の艦橋下にある艦内指揮所にて黒田もやはりという表情を見せる。不確定要素が多過ぎて今後の事もあるので第一連合艦隊は母港へと戻る事になる。
「後は海中の英霊に任せておくか」
黒田は戦闘飯である握り飯を頬張っていた……。



その後ジョージ.ワシントンは無事に新太平洋艦隊と合流……そのままダッチハーバーへと向かったのである。
照和十七年十二月……開戦して一年が経過した。太平洋戦線は布哇周辺を含み日本の制海/制空圏になり、亜細亜各国の近代自立改革も進み、日本自身も社会が大きく変わろうとした。まず女性にも参政権を認めたのである……これには男尊女卑と言う風潮が強かった軍隊内でも女性士官の登用により見解が変わった事が大きい、更に大企業改革として欧米並みの雇用形態や労働者の権利を大幅に拡充させた。前世の敗戦は旧態依然の政治手法にも一因があると考えた橘らにとって足元を変える必要もあったのだ。

更に軍事に関わる事は会社同士の合併を進めているが戦時体制法と呼ばれる時限立法により、戦争終結後は解体する事が明記されている。
「扶養型四隻の改修は大変でしたな」
「うむ、海軍初の自主開発した超弩級戦艦とは言え金剛を流用したからな……船体は歪む、舵を切ると速度が落ちる、仕方ないとは言えここまで改善出来たのは一重に技術者と工員のお陰です」
橘は何時のも通りに娘の嫁ぎ先に出向き会合をしていた、今回の相手は造船大手の皆様である。
「次官殿のお陰で会社も変わりました……いい刺激になってます」
「皆様には戸惑いを隠せないですが……これも戦後を見据えての事です、欧州が独逸第三帝国に長い間支配されると金や人材も亜細亜に流れ込みます」
「戦争が続くのですか?」
「相撲取りも水入りするのは常によい状態で戦争にする為です。亜米利加は相手世論を動かせば大統領は変わる国です。最も抗日派の大将が変わる事も珍しくないですが……独逸の場合はヒトラー存命の間は総帥が変わる事は無いでしょう」
「亜細亜各国の近代化は我々にとっても良い事ですな……何れはよい競争相手になりますが」
「はい、物作りは国の根幹です。その為にも技術学校の門を広げてます」
日本には亜細亜各国からの留学生も多く見られている。その為に橘は激務をしつつも日本には馴染みが無い回教寺院(モスク)の建造を印度音志阿の回教指導者に協力を仰いだ事もある。この時回教の宗教上を理解しつつも男尊女卑を緩和する様に説得、政治と宗教分離を薦めたのである。マラッカ海峡は日本のシーレーンになる事は戦後も明白だ……。
「回教がここまで攻撃的になったのも欧州の原因と言えます……ですがそれは覇権を持つ者の性と言えます」
「問題は朝鮮半島です」
日本の懸案事項には朝鮮半島がある、前世で日韓併合は大きな問題になった事は橘も把握している。後世の状況では開戦後の朝鮮半島併合解除宣言寸前に共産主義による民族解放を掲げた金将軍が仲間に暗殺、その後グループは他の独立グループとの戦闘で消滅していた。結局、日本で学んでいた親日有識者らが満州国の一部として朝鮮自治区としてスタートさせているが抗日派のボルテージが上がりぱなしである。彼らから見れば親日派は日本の飼い犬だ、だが朝鮮人の手で国作りが出来ない事は紛れもない事実、その為か朝鮮人の多くは彼らを事を覇権主義の幻影者として憲兵に突き出す事も珍しくなかった。

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