PiPi's World 投稿小説

戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 25
 27
の最後へ

戦艦空母艦隊 27

「幻龍全機確認、通常収容作業に入ります」
眼利蘭土型航空戦艦には大きなクレーン装置がありこれで墳進弾や幻龍の収容を可能にするのだ……更に船の航跡を辿れば外洋でも着水出来るのである。
「そうか……敵はそのままか」
「はい、警戒機一機は撃墜しました」
上山は一番機の機長から直に報告を受けた。
「中将は計画通りに動くだろう……イ式墳進弾も用意、幻龍の再射出もな!!」
「艦長」
「米軍の奴らはこの船を狙ってくる」
米国は情報解析には定評がある。

幻龍の再射出準備完了と同時に敵機来襲の一報が入る。
「右舷より魚雷!」
「回避行動!各水密閉鎖!」
武蔵に向けて航空魚雷が矢の様に飛んでくるが幾つかはア号潜の水圧魚雷により迷走し衝突、暴発が起きる。しかし魚雷の何本かは武蔵に向けてまっすぐになっている。
「艦首補助推進装置右舷!」
黒田の激が飛ぶ。魚雷は武蔵の横を通り過ぎた。他の艦船は命中したが戦闘継続は可能だ。
「雷撃にしては遠過ぎるな」
「気化爆弾を恐れてでしょう、急降下爆撃機すら来ないとは」
急降下爆撃は航空士や航空機にとっては負担が大きい、その上機体の引き上げが出来ないと敵艦に体当たりする事になる。その為に誘導弾の開発を進めている訳だ……これは日本だけじゃ無い米国や独逸も同じ動きをしている。
「装甲化には陸軍の予算をかなりぶんどっているからなぁ、こんな程度で沈む程度では申し訳ない」
関東軍の縮小でもかなり反発を受けた陸軍であったが高崎首相の説得、独逸並の機甲兵団を持ちたい陸軍にとって将来の事を考えると海軍とのしこりは避けたいと言う事で納得して貰えた。亡命独逸将校には陸軍出身者が多く機甲師団に必要なのは既に実現している所の知恵、陸軍との関係を良好するのも苦労する。


ジョージワシントンを旗艦にするオーストラリア派遣海軍艦隊は敵艦載機からの攻撃を受けていた。
「ジャップの航空魚雷がここまで強力なのか!!」
既に僚艦の幾つかはダメージコントロールを超えたダメージにより傾き始めている。ジョージワシントンも何発かの魚雷を受けており速度低下は否めない。
「本艦は艦載機の収容には支障をきたしてません」
「ニュージャージはどうだ?」
「健在です」
アリゾナ級ニュージャージはオーストラリア派遣艦隊の戦艦であったがタスマニア沖での訓練中に故障し修理中に後部主砲塔の電気回路がショート、更に近くにあった機械油に引火した。直ぐに済むと思っていたのか砲弾やそれを飛ばす火薬を置いたままであった事で砲塔を吹き飛ばしたのである、眩し過ぎる閃光とハリケーンとトルネードが合わさった様な衝撃波は僚艦アラスカにも被害を及ぼした。第三砲塔は爆発の衝撃でありえない角度で浮き上がり砲塔っも素人目から見て使い物にならない、何よりも乗務員の三分の一が衝撃によるショック死しており艦内が火災が起きていた。
不幸中の幸いは艦隊中枢を司る将校らは艦橋に居た事位だ……その後の数回の爆発は軽巡とほぼ同じ重さの砲塔が跳ね上がったのである。アラスカは直ぐに事態をキャンベラにある本部に通達、他の僚艦と共に救助活動を開始、幸いにしてニュージャージは沈没を免れたが火災は一昼夜に及んだ。アラスカは沈下したニュージャージをシドニーまで曳航し半ば徴発した民間造船会社のドックに入れた。被害は砲塔を治めるハーベットまで粉砕、艦尾付近のバイタルバードも爆発による大穴をあけられ爆発の衝撃波はスクリュープロペラやシャフトを歪ませていた。機関部は無事であったのは幸運と言えよう、訓練が終わりかけで砲弾庫に砲弾が少なかった事も沈没をまぬかれた。

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す