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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 22

開戦時のアジア各国は泰王国(タイ王国)しか独立を維持できてなかった。他は欧米各国の列強が支配し独立に向けた動きが活発化していた。後世日本は独立運動に共産主義思想が流れ込む事を非常に恐れている、それはアメリカも同じ事だ。共産主義に関しては早くから行き詰まりを見せており、日本の諜報機関はスターリンの大粛清から逃れた亡命ロシア人を保護していると言う情報すらある。真偽に関しては五分五分……。
「日本はタイ王国を拠点にしている……これは前の東条政権と同じだが」
「最大の相違点は近代独立国としてノウハウを伝授している事です、宛ら明治の日本の様に……ですが我々にも尻尾を振っている所があります。朝鮮国です」
「チョウセンコク?中国の一部ではないのかね?」
「建前は独立してましたが1910年に李氏朝鮮王朝最後の継承者が自国民の手により殺されてます。これには日本の諜報機関の仕業とも信じられており、反日感情が高い所です。欠点としては儒教に縛られておりあんまり宜しくない模様ですがね」
「ほう……」
「独立運動してもバラバラ、ライバルグループの情報を日本軍に知らせて潰すのも日常茶飯事、日本海軍には李氏朝鮮王朝の血を持つ御仁が居るそうですが……彼はとっくの昔に祖国を見捨ているそうです」
「詳しいな」
「うちの親父が接触した事あるんですよ、しっかりと朝鮮独立に関与しないと言われたと……」
「あんまりアテは出来ないか」
「ラングレーにもあんな劣等民族にかまうなと言う声がある程です」
タイコンデロカは沖合に出て他の戦艦や補助艦艇に合流する。不安要素は現在の主力艦載機ヴォードF4UコルセアやノースアメリカンP−51Aマスタンク、リパブリックP−47サンダーボルトでは明らかに今の敵艦載機の前には無力に近い事、更に戦艦から放たれる周辺空域を地獄の業火に変える謎の砲弾……戦略空軍ですら恐怖の余りに日本への強硬爆撃作戦をひっこめた程だ。
今の対日戦略は前線でも謀略戦でも行き詰まりを見せているのが現状と言える。ホワイトハウス内にはユダヤ系政治学者が日本やアジア各国に居るナチスの迫害を逃れた同胞の為に日本との講和論を展開している噂も聞こえてくる。キーガンにとってはそれが良いという考えだ……あの国はアジア地域を発展させる力を持っている、一件アメリカの国益を損なう見えるが遠い目を見ればアメリカ人には理解できない理不尽な事でビジネスを損なわない事が少なくなる……。
「参謀はこの作戦をどう見るかね?」
「かなりリスクを伴いますな」
参謀もキーガンと同様に今の戦力で日本海軍と闘う事は無謀にも見えるがジョージワシントンまで日本海軍の手に渡れば太平洋の制海権を取るのは難しい。
「カルフォルニアのジョン.アダムスにパナマのトーマス.ジェファーソンまで出す気はないな」
この二隻はジョージ.ワシントン級戦略空母でありタイコンデロガ級同様にアングルトデッキを備えカタパルトを装備、他にも通信機機能を拡充させ高速電算機を搭載した新鋭空母だ。歴代米国大統領の名を冠している米国の象徴で艦名に関しては共和党や民主党の鍔迫り合いがあったと言う……。
「ジョージ.ワシントンには極力戦闘行動を避けるように言ってあるのか?」
「無線封鎖してます」
「盗聴の恐れもあるからな」

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