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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 161

これには護衛空母化も考えて設計されているし、軍縮後は第三国に譲渡若しくは転売する目論見もあるのだ。艦載機としてはヘリコプター三機、これは対潜哨戒も兼用する連絡輸送機であり、ホバリングしつつもホイスト降下による潜水艦移乗も出来る様になる。艦載艇は十隻で上陸艇を使用しており複数の潜水艦が横付しても物資の運搬が出来る様にしている。また病院船の機能も小規模ながら備えており、これまで対処が難しかった症例にも対処出来るようになる。洋上給油や消耗品の詰み込みが出来る様にデリッククレーンを装備し、ネームシップのハンレーは大西洋戦線に投入された。

効果は直ぐに出た、中東やアジア侵攻を進めるナチス第三帝国軍の輸送艦や護衛艦も遠慮無しに雷撃出来るようになり対Uボート戦を好転させた。何よりもこれまで軍港化を諦めていた島々にもハンレー級さえあれば補給基地として機能しランダムに場所を変える事も出来る。これは暗号化装置の発展速度が異常に進んだ、米国はハワイにある暗号通信施設を壊滅させられた以降、この分野の研究開発も乗り出していたのだ。
簡単に言えば暗号化装置の高性能と小型化……ナチスドイツも日本共和国は開戦時には高性能暗号化装置が航空機搭載可能サイズになっており米国は精々海上艦に収まる程度しか小型化しなかった……この事が太平洋上に置ける対日戦争に置いて数々の重要施設の空爆に繋り、尚且つ開戦直後の空襲が失敗した事はホワイトハウスも認めるしかなく都市部の空襲にも繋がりかねない深刻な状況にもなりえた。日本軍が都市部空襲が極力抑えられたのは戦力の差では無い、日本がナチスドイツとの戦争を見据え、米国国民の世論を変える様にしたと言う分析すらある。この戦争は列強同士の競争の果てに起きた二度目の世界規模の戦争となれば戦場で決するよりも各国の国民世論を揃えた方が理に叶う……ホワイトハウスの面々は日本政府の巧妙な戦法とも闘う必要もあったのだが出来ずいた。



要因としては人材の偏り……即ち白人のみで政治と軍を動かした結果だ、日系人やイタリア及びドイツ系移民らは不遇な扱いをしたばかりに未だに米国人との溝が生じておりホワイトハウスは直ぐに彼らにも政治参加の門を開く必要に迫られたのである。



「即席麺?」
「はい、大阪での軍人による不正事件の被害者の方が開発した“非常食”です」
橘は目の前に置かれた麺の塊を怪訝な顔で見るが側近の一人が手慣れた様に丼に即席麺を入れお湯を注ぎ鍋の蓋をする。
「三分待って下さい」
「?」
そして三分後、橘は目を丸くする……そこにラーメンが出来ていたのである。しかもチキン味の……。
「これは美味い」
まるでラーメン屋の出前と勘違いする程だ。ラーメンを食していると話声がした。
「鍋に寄る調理なら一分で出来ます、卵を落としただけでも変わりますよ」
側近の後ろに居た男は言う。
「軍に売りこんだらエライ目に遭いましたわぁ……本当に警察まで言いくるめて、関東軍上がりはけったいですな……」
これには橘もぐうの音も出ない、警察機構の改革と刷新はしているが未だに横柄な方も多く警察の方も可也の数が綱紀粛正させれた。無理もない彼は二度も腸閉塞で死にかけており医者でもある手塚でさえも手術後に激怒しており陸軍軍医が宥めた程だ。
「まあ海軍はんにはほんまに助けて貰って感謝ですわ」
「安東さんコレを……」
「昨年の福井の震災がきっかけですわ……」
福井大地震と称される災害は陸軍を中心に救援活動を展開するも色々と問題を遺した。食事の問題もその一つだ……安東百幅もそれを実感した、戦争はともかく自然災害時でも簡単に作れる主食……それを開発に取り掛かったのだ。

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