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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 159



東シベリア共和国海軍にとって海上戦艦に砕氷機能を持たせる事は宿命そのものだ……流氷が来ない地域まで領土を広げようとして帝政ロシアは躓き滅び、共産主義のソ連は陸軍に戦力を傾倒したばかりに他国に後れをとった。東シベリア共和国は敢えて領土を広げる事をしなかったのはこれらの理由があるのだが海軍力の弱さもある。
「クロンシュッタット砕氷多目的用途軽空母か……」
元々は重巡洋艦として計画されて建造されるも先に粛清が発生、宙に浮いた船体はそのままドイツの航空機隊の標的になり沈んだ。しかし設計図は密かに持ち出されており砕氷多目的軽空母になったのである。
無論造船技術も他の列強諸国に比べると遅れている感もあり、砕氷及び耐氷船体設計/建造も研究半ば……列強諸国でこの分野に強いのが米国である……米国としても共産主義拡散を防ぐ名目で技術支援をした。クロンシュッタット砕氷多目的軽空母は固定翼機よりも回転翼機の運用を重視しており、EVも外側に装備されている……これは陸軍の機動兵器や人員を運ぶ為であり将来の国際協力を見据えている。何よりも潜水艦が主力になる分析もあるので潜水支援母艦的な役割もあるのだろう。

「戦争は技術を発展させるか……」
クロンシュッタットの艦橋に立つ艦長は感慨に耽る暇はなかったが軽空母を建造出来た事は大きい……今のロシアはナチスに蹂躙されているが旧共産党首脳陣の下に居た連中らが奮闘しているそうだ……最も何処までやれるのか不明だが……東シベリア共和国の今後を考えると旧ソ連との関係はどうするべきかも考える必要もある。トロッキー大統領の過去を考えるとスターリンの腰巾着は問答無用で消すだろう……何せピッケルで暗殺されそうになったからだ、日本政府の諜報機関の奮闘ぶりで助かったとは言え、その恐怖は計り知れない。
故に彼は旧ソ連のスターリンの側近とは接近してない……東シベリアには側近だった重鎮が数人いるが政治には参加せずに陸軍の育成に集中しているのは彼らなりの配慮だ。スターリンの時には地政学的にも陸軍重視になり海軍が軽視されていると思われてもおかしくなかった。冬季でも流氷が来ない地域を領土にするのは陸軍の存在が不可欠であったからだ。
「不凍港は諦めるしかないな」
東シベリア海軍内でも不凍港確保論はあるが今後の情勢を見ると無理とも言える。
この戦争は列強同士の競争の果てに起きてしまった……不透明だがナチス第三帝国も何れは滅びるだろう、ロシア内での戦闘は泥沼化している模様でスターリンの生死不明が否応無し神格化され残党軍化したソ連が熾烈なゲリラ戦を展開……シベリア鉄道の線路も幾度も破壊されるもナチスドイツ軍は線路の幅をドイツ国内と同じにしている。鉄道による大量輸送に置いても変革しているのだ……手間が掛る蒸気機関車からディーゼル機関車に置き替えていると言う。これには戦車の発達でディーゼル機関利用が起き戦車の燃料が同じなら効率化が寄り図れるからだ。

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