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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 155

しかしポートランド造船所に置いてスケネクタディ号が竣工後に船体の漏水試験を実施した際に海水を満たしたドック内で浮遊した際に船体が船体中央部にもちあがって折れる事故が発生し関係者を驚かせたが電気溶接した個所が亀裂が入って一気に分断した事はこれまでの事故との共通していたのである。リムド鋼は炭素や硫黄やリンの含有量が比較的多くこれが電気溶接すると溶接個所が冷却後に居所的に歪みを生じてしまう事が多く低温と言う鋼材を収縮を発生しやすい環境での使用と相まって歪み個所に力が集中にして亀裂が走ったのである。電気溶接は応急修理に適したり、鋼材建造物の増加に伴い日本も研究を進めておりこの問題に早くから気が付いたのである。
橘らの技師や研究者の兵役免除が遺憾無く効力を発揮し国民生活にも寄与している訳だ。布哇占領後に建造されたビクトリー型は船体破断事故が一切起きてない事は電気溶接専用鋼材を使用したからだ。同時期に建造された本土のリバティー型と比較した米国製鉄業界は衝撃を受けたとも言う……まあ数ヵ月後にはキルド鋼と呼ばれる米国版電気溶接建材が実用化されたのは米国の国力を示す一例と言うべきだろう。
「エンパイヤ型戦時標準貨物船も見えますね……」
「ああ、そっちも建造しているからな」
如何にUボートが暗躍しているのかよくわかる。
これらの船舶は連合陣営が保有していたかつての植民地でも建造され第一次産業への育成にも寄与する事になる……そして戦後海運業が規格統一が進む事になる。
「イタリアの反ナチス戦線は?」
「フランスといい勝負だよ、祖国居座り組の混乱ぶりは」
故にイタリア国内に居るよりも海外に出てナチス第三帝国を外側(=占領地)から崩していく方が現実的だ。延び切った戦線は何時かは崩壊する……古今東西繰り返される戦訓なのに気が付いた時には取り返しがつかない。今回の大戦の戦死者がどれだけになるのか?二人は憂鬱になる。
イタリアでの反ナチス戦線を取りまとめている存在が“反ファシストイタリア祖国防衛戦”は開戦前に結成された政治結社を母体にするレジスタンスである。ナチス第三帝国の領土拡大に伴い外側から崩していく事を早くから取り組み始めた……団員の多くが海軍の空母保有論者で将兵の多くがハーゲンクロイツに染まった祖国海軍を見切りをつけた。彼らにとって日本がファシスト主義から脱した事が幸運とも言える。
「ようやくか……」
ポルコは沖縄にある水上機/飛行艇の操縦士を育成する教官と言う形で日本海軍に所属しており定期的に欧州の情勢をレポートで把握していた。
彼らはナチス第三帝国海軍の一員とは言え最前線に飛ばされた事も多く、亜細亜侵攻の際に日英の工作により亡命を果たし空母保有論派にとって日本と米国は空母先進国……しかしながらも艦載機を運営するパイロットも整備員の多くは米国に移住したイタリア移民の二世や三世が多くポルコの様な水上機乗り出身は珍しいとも言える。
「マルコ.ポーロか」
イタリア人なら誰もが知っている大冒険家でかつて中国を納めていた王から聞いた黄金の国ジパングを初めて知った欧州人だ。何の因果かそのジパングに今自分が居るのは運命とも言える。そこら辺に黄金が転がって無く黄金の国ではなかったが人材に関して金メッキばかりの人材が多い祖国よりはマシ。マルコポーロは若宮型水上機母船船体を流用した空母でありアングルトデッキを備えた次世代空母だ……航空機に関しては米国製を使っているのでポルコとしては癪に障る所もある……最も自分の様な水上機乗りにとやかく言う資格はない。

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