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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 150

アメリカには王家が存在しない……これは建国された諸事情が起因しているが今回の暗殺事件のターゲットが大統領に置き換えるとこの国だって朝鮮国に軍事援助を縮小するのは目に見えている。ヒトラーの事を考えると朝鮮国にもそれなりに軍事力を与える必要がある……そこで影響力が大きくなる事を覚悟でアメリカが朝鮮国に軍事援助する事を日本国首相府は黙認した。キーガンはこれも出来る限り情報を集めるように指示、日本と朝鮮の関係は専門家を招いてまで把握に努めていた。
「……中東X地点への上陸作戦の事を考えると悪くは無い話しだ」
「提督」
「……朝鮮国も戦後に取り残されないようにするのならノッて来るさ、天皇陛下暗殺未遂の失点を回復するのならね」
この時既にキーガンは朝鮮国に軍事援助を想定してペンタゴンに先駆けて独自に計画を立案するように部下に命じており日本海軍を介して朝鮮国海軍士官候補生の受け入れを進めていた。橘次官は元より葵川少将ですら脱帽するほどの行動力は結果的に日本政府には助かった事になる。後にキーガンプランとしてアメリカ政府も乗っかる形を取り朝鮮国もこれ以上の遅れは戦後の国際地位にも響き経済にも影響が出る。もはや政府内に居る反日思想者排除まで追い込まれた。


「ギアリング級駆逐艦を導入ですか」
「うむ……アメリカ海軍の駆逐艦だが朝鮮国には丁度良いだろう」
葵川は辟易して部下に告げる。ナチスドイツも陛下暗殺未遂事件に注目したらしい事はレジスタンスからの報告で知っていた。

「最新鋭艦を良く……」
とは言えこのギアリング級駆逐艦はアレン.M.サムナー級駆逐艦の改良型に過ぎない……原型になったフレッチャー級駆逐艦の改修型でも与えると思っていた側近が驚くのも無理はない。
「あちらもアテナ級イージス艦を導入する話は本当らしいな」
「ああ、それですか……キーガン提督も人が悪い」
葵川の言葉に別の側近の一人が納得した。あちらも航空兵装打撃に移行したが正規空母を護衛するのは護衛空母の航空戦力に頼っていた。物量で圧せると思いこんでいたが潜水艦の発展によりその構想は狂った。結果的に駆逐艦の対空対潜探知及び攻撃を増強する形を取らざる得ない事になる。イージス艦の導入が早々と決定され既にキーガン提督の新太平洋艦隊では一番艦が導入された。
これには格下と思いこんでいた日本海軍にコテンパにされた太平洋戦線海軍首脳陣にとって演習で見た三笠型海防航空艦の威力はぐうの音も出なかった。こうなると戦艦よりも建造する価値がある……まあ表向きは英国海軍アテナ級イージス艦だが実質日本海軍が開発/製造したからペンタゴンや大西洋戦線首脳陣は眉を顰めたがYAMATO型戦艦を使っている手前強くは言えない。
「それとキーガン提督としてもこの先無茶な事になる事を見越しているのだよ」
「まさか」
「ナチスドイツ第三帝国の核実験施設」
今や米国の諜報部は核爆弾の情報を必死になって集めている。
最も米国は元より英国も日本の諜報機関の方が必至だ……その為にもレジスタンスとの協力体制構築は並々成らぬ行動をしている。イスラム教文化圏の近代化支援もその手段に過ぎない……。
「核兵器は艦隊を殲滅するよりも都市で使った方が効果が高い」
「米国が航空機に力を入れたのも核攻撃の為と……」
「うむ、最も我が国では高高度迎撃態勢を構築したからこそ米国は諦めた」
「ユダヤ人受け入れも」
「そうだな……あっちにはユダヤ系移民を祖に持つ者達が経済や政界に多い……それを強行すれば米国が割れるからな」
ここら辺は外交も大きく影響している。
「今後は米国の支援も多くなりますな」
「仕方ない事だ、ヒトラーを倒すには少々不条理も飲まざる得ない」
葵川は天皇陛下安説未遂事件の影響が出ている事にため息を付いた。

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