PiPi's World 投稿小説

戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 146
 148
の最後へ

戦艦空母艦隊 148

 −私は朝鮮民族、いやアジア各国の為に日王を殺そうとしたー
「ほう……陛下をそう言う辺り李氏朝鮮の亡霊でも吹き込まれたか」
森はやれやれと思う。
「では、君は李氏朝鮮最後の王子を殺してしまった事になる……」
 −嘘だ!−
「事実だ……君がここにいるのも不測の事態を起させないようにする為でもある、何せ少し前までは神様のような扱いだったからな……あくまで司法により裁きを受けさせる。死んでも構わんがこのままだと君は後世にどう評価されるか……」
憲兵が咳払いすると森達は牢屋を出る。
「また明日も話をしよう……」
牢屋の扉が閉まり鍵がかかる金属音が響く……果たして彼は何を考えているのか?森は色々と考えた。



「畝傍を空母化する?」
「うむ……まだ確定と言う訳もないが大淀は既に改装を始めている」
水上機からヘリコプターへの更新は徐々に広がっていたがどうも戦艦から空母化する際の試験的な一面もある……未完成の状態からの改修は何度かある。
それが巡洋艦である畝傍にも及ぶとは思いもしなかった。
「水上機や飛行艇を使っている所も陸上機やヘリコプターに更新する……本当なんですか?」
「うむ、空軍の設立に伴ってな……例えば防衛戦隊や航空輸送隊の幾つかは空軍に移管される」
羽田には海軍基地があるが空軍基地も併設、更に成田にある皇室が所有する牧場を民間共用空港にする話は聞いた事がある。そこまで航空機の発展はしているのだ……。
「日本航空と大和航空も旅客部門を拡充するそうだよ」
共に国策会社として戦前から設立されるも旅客部門は細々としていたが大型飛行艇の活用で亜細亜各国に空路を持つようになった。料金こそ高いが船よりも早い事は魅力だ。
また日本の南洋開発において航空機の活用するとなると飛行艇が有効とも言える。これには米国との戦争がどんな流れになるのか橘らも見通せない事や無理に島に飛行場を作っても小型機しか発着出来ないとなると資材の無駄になる上に現地住民とのトラブルになり易い……故に飛行艇の活用する流れになった訳だが陸上旅客機が主流になる事は目に見えていた。この分野は既にボーイング社がB−29等で培った技術を元に大型貨物機ベースの旅客機開発に乗り出しており日本からも参加している……。
「若宮型は空母化も視野に入れた設計だからのぉ」
九鬼は物悲しくなるが表情に出さなかった。
若宮型は水上機母艦であるが空母への改装を視野に入れている……満州国が同型船を総旗艦にしているのは空母化も検討しており台湾も武夷として導入……つまり工業力と技術力が育てば台湾は改長門級を含めれば空母をニ隻保有する事になる。満州国も同じ事が言える……。


「朝鮮国が埋没しかねない状態か」
橘は首相府からの書簡で腕組みをする。両国の関係は最悪の状況に代わりは無い……再統合の声すらもあがっているが毛頭する気はない。
「米国に任せるのですか?」
「うむ……反日感情を利用する気かもしれんが軍事援助は任せた方がいいかもしれん」
最もお下がりの軍艦で何処までやっていけるのかアメリカ側も朝鮮国を抱き込むか否かで揉めている。

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す