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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 141

陛下一行の状況は逐一報告された……大戦前から初期にかけて亜細亜一帯に通信網を整備しており一部は民間にも開放されている。無論この高麗国内では植民地支配時代に近代インフラの一環として整備され朝鮮人にも開放しているが極一部、しかも日帝の象徴として破壊されたりもした。最近なりを潜めているのは高麗共和国の取り締まりの成果とも言えるが徐々に近代化の成果が浸透し始めたと言えるかもしれない。通信網に加えて伝令も活用されており、従来の軍馬から新たに導入した自転車や自動二輪を使っていた。これは亡命したロンメルらの師団に伝令(偵察も兼ねていた)用に導入しており、アメリカのパットンも自分が持つ師団に導入していた。日本陸軍も戦前にハーレーを手に入れ陸王として採用していたのである。国産化も試みたが上手くいかず頓挫しかけたが別件の発動機開発で出入りして本田宗一郎氏を筆頭にした技術者らが実用化に成功しており大規模作戦で使用中である。

布哇講和条約後には陸王を製造する本田ニ輪車製造社を含めた大手二社とハーレー社はライセンス契約により米軍が使用するハーレーの修理を手掛けており日本にも本格的な自動車社会到来を予感させた。
「高麗政府は信頼してもよろしいのでしょうか?」
「万が一ファシスト化すれば満州国や極東エレサイム共和国を初めとするユダヤ人から見捨てられる……戦後の経済に取り残されるからな」
高麗政府外務省は特にそれを恐れていた。其々の大使から日々届く亜細亜各国の政治経済情勢は大統領府を真っ青にさせるのには十分であり、特に照和天皇歴訪に関しては各国の持て成し振りにはため息をつく気力すら無い……それは経済発展を遂げた結果とも言える。

それすら理解出来ないのが反日抗日思想の朝鮮半島人の特徴だ……故に世界標準の民主主義を達成するには思想統制に乗り出す必要が生じたのは大変な皮肉、まあ他の亜細亜諸国もそれなりに思想統制も見受けられるが露骨なのは高麗共和国だけだ。
「それよりも大丈夫なのか?」
「Uボートなら砕氷機動艦隊や極東エレサイム、東シベリア海軍のお陰でそれなりに抑止力になってますよ」
冬季に流氷に覆われる海域を持つ双方の国は潜水艦を主力に据える必要もある……東シベリア共和国海軍はその点は他国よりも遅れている。何せソ連時代には空母建造すら後回しにされたので潜水艦計画なんてモスクワまで届いたのかも怪しい。東シベリア共和国首都ウラジオストックはソ連時代に冷や飯を食わされた面々が多く共産主義はまっぴら御免と言わんばかりにスターリンに見切りをつけた。
海軍士官将校らにとって海軍増強に手段を選ぶ権利は無い……今の状況はある意味では願ってない機会だがどれだけ続くのか分からない。ウリヤノフスク多目的用途装甲空母が実戦配備出来ただけでもマシかもしれない……これは日本にも国益がある。
「幾らワルダー機関でも限度がありますからねぇ……」
「うむ……空気が澱むからな、梅雨が優しく感じるらしいぞ」
近江艦長は潜水艦に乗務した事は無い。
「通信網も整備も進みましたな」
「海底電欖(=ケーブル)は何れは世界の通信網になる……何れは太平洋にも敷設する計画がある」
日本海軍は殊更電欖研究には熱心であり無線では傍聴により筒抜けされる恐れもある……かといって全て暗号にする訳にも問題から不可能であった。長距離なら郵政省が所有する大型海底電線敷設船を使うが海軍が自前で同様の船を所有している事は余り知れてなく、電欖は通信や通電の他にも管制機雷の制御にも使用できる事から敵潜水艦対策として必須であった。これには戦艦主義の当時の石頭らを説得には骨を折ったが織田少将(当時)が怒鳴り、漸く電欖敷設艇初島型を実戦配備出来た。電欖敷設は元より危機的本土防衛にも運用を想定し対潜武装を施されている。

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