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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 15

米国も航空戦艦構想はあったが結局の所は空母との分業化に落ち付いている……何故日本が航空戦艦に改装しているのか?それは単に工業力に関係があるとも言われている……確かに日本にも工業地帯があるが全て海側に面している。原材料の受け入れや製品の発送には港湾施設が要になるが日本は全て海側にあるのに対しアメリカには大陸内側に五大湖工業地帯がある事が強みだ。
「艦長!」
艦橋要員の言葉に彼は言葉を失った。未確認の敵戦艦と思える砲弾が後方に追随していたテキサスを直撃し艦橋を吹き飛ばしたのだ。
「16インチではない!ジャップの新型は18インチを登載している!」
「敵艦から高速飛翔体が発艦!」
「ばかな!ドイツのV1なのか!」
日本は枢軸国同盟(若しくは三国同盟やファシスト同盟とも呼ばれているが)を締結してない筈だ……ドイツのV1は米国大西洋方面の各艦隊や空軍の爆撃機隊にとって脅威の新兵器だ。そのような兵器を日本軍が持っているとは思いもしなかった。
「ジャップにそんな技術が……」
敵の新型戦艦、後にミットウェイモンスターと言う異名を持つ事になる大和型航空戦艦の戦闘力に彼は叫ぶ。
「煙幕を張れ!」
直撃を避けるにはこれしかなかった。


大和型航空戦艦は主砲のサイズを51センチ(18インチ)に変更していた。これは紀伊型戦艦に登載される筈の主砲であったが前述したように紀伊型は戦艦ではなく戦略空母として設計変更され、宙に浮いた主砲は海軍基地の防空砲にもと言う話も出たが主砲を減らした大和型の攻撃能力を高める為に主砲の変更をしたのである。
46センチ砲は陸軍が本土防衛兵器“豪天砲”と呼ばれる列車胞に転用される事になるがそれはまた別の話。給弾装置の微調整やらで技師らが右往左往するも月火水木金土土で乗り切り、しかも技師育成の教材までなる始末だが大型戦艦が入っているドックは何処も同じである。航空戦艦の戦闘力を補う為に墳進弾開発が進められているがその過程で生まれたのが“対艦有翼墳進弾”、墳進装置は研究開発途上故に射程距離に見合う推力とは行かなかった……そこで主翼を付けて空力面で補助するのである。
欠点と言えるのはセットに時間がかかる上に荒天地には出来ない事や乗務員に危機が及ぶ位だ、この兵器も半世紀後には一般化しているので戦艦の設計すら代わるとも言われている。日本軍はリスクがあるとは言えこの様な新型兵器を惜しみも無く投入するのは遠回しながらも日本の技術力を誇示したいし、何よりも実戦の計測/効果は必要なのだ。
「三隻ともおいぼれをよこすとはなめられたもんだな」
「よろしいのですか?東郷艦長?」
「砲術班に通達、必中を目指せ」
「了解です!」
「煙幕から魚雷艇多数!」
「民間船を改修した魚雷艇母艦を随伴させていたんでしょうか?」
「否、航空機魚雷では仕留められないと言う判断だろう」
東郷艦長の言う通り航空魚雷は機動性に富む代わりに爆薬の量が少ない、ブロック構造が常識的になり船底にあるキール、即ち人間で言う背骨に該当する箇所に直撃すれば沈められるが今のジャイロでは神に祈るしかない。結果的に魚雷の大型化が幾分対応できる魚雷艇を投入する動きが出てくる……その魚雷艇を運用する為の母艦も開発され米国はエセックス級航空母艦をベースにしたレプライゼル級魚雷艇母艦を配備している。

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