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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 132

ただ今の大戦にて実戦配備している空母の中には建造当時は副砲クラスの砲塔を装備した空母もあり、その意味ではサーストン氏の提唱は実現していた。しかし彼の提唱した新たなる艦種を真剣に検討したのが橘らのグループである……最大のネックである艦載機の発艦に関しては水上機の発艦カタパルトを改修して使う事で解決した。伊勢を航空戦艦にしたのは対潜や対艦隊攻撃/防護の要として艦載機の種類がポイントになる。空母は艦隊や作戦によっては攻撃機を減らしても対潜や電子作戦機を揃える必要がある……攻撃機を減らせば効果に関しても怪しくなる、そこで航空戦艦の存在だ。
航空戦艦は艦載機の数は正規空母よりも少ないが逆に言えば一機若しくは数機でも作戦行動に付与する艦載機……即ち対潜機(警戒機も兼ねている)や偵察も兼用する電子作戦機を搭載する。最近ではヘリコプターの実用化に伴い対潜機も従来ある固定翼機は長距離、ヘリコプターは近距離と使い分けているがヘリコプターはホバリングする事でその場でとどまる事が出来る……まあ空母発着機能を有している仙狩は海面次第だが着水してソナーを投下すれば似た様な事が出来るのだが……航空戦艦にする事で生じるデメリットである砲撃攻撃の低下に関しては一概にそうとは言い切れない。戦艦同士の砲撃に関しては一発で命中する事は稀で大抵は艦の至近距離に外れる、つまり鳩の豆鉄砲数あれば当たると言うのが実情だ。更に兵士らが使う各種銃同様に砲身の交換も要する。これが戦艦の主砲クラスになるとドックを要する……その解決策の墳進弾もあるのだが射程距離や誘導装置や信頼性やらでまだ従来の砲塔に頑張って貰うしかない。
日本海軍の今の主力戦艦で航空戦艦化をしてないのは長門型の二隻、更に海外に嫁入りした同型艦二隻……これは長門がかつてのビックセブンの一角を担っていたが大きい。それと早急に亜細亜各国の支援をする為と当時敵であった米英との牽制の為に航空戦艦化する暇すら無かったのが実情だ。そして新規に計画/建造されたとなれば飛鳥型二隻のみである……ただ飛鳥も状況次第では空母改修も視野に入れている。
「(我が祖国とは違うな)」
ポルコはため息を吐きつつも機体を上げていく。イタリアの反ファシスト運動は実にお寒い、フランスの様に有力な指導者が居ないのも致命的だ。
アメリカに移民したイタリア系グループとしては歯痒い状況らしい……せめてあの時戦艦四隻が脱出に成功していれば状況が変わっていただろう。ポルコはつくづく中立国のスウェーデンやスイスがうらやましく思う。


表向きは欧州はハーゲンクロイツに染まっていると思われがちだがスウェーデンとスイスは中立を維持している……スイスの場合は国際金融機関の本拠地と言う事でヒトラーも征服する事は躊躇したと言うのが表向きで実際は猛烈なゲリラ戦や高地での軍事行動がナチスドイツ軍に多大な負担になりしかも無理に侵攻すれば其々の金融機関にある口座や紙幣、証券すら燃やしかねないと言う事で経済封鎖すらしなかった。スウェーデンはWWT後は強い政治力と軍備を整備しておりバルト海の防護を担う中核をなすのが航空巡洋艦ゴトラント級三隻である。



開戦当初は獰猛な艦長が多いUボート各船は大した価値も無いとみていたが、それは全くの正反対であった……瞬く間にこの三隻に搭載された対潜哨戒機によりバルト海の漁礁にされるUボートが続出したのである。実はスウェーデンには欧州から脱出出来なくなったユダヤ人らの“亡命先”でもあり同国政府は彼らを表向きは義勇兵や義勇技師として活用した。更にユダヤ人らのネットワークにより日本との水面下の繋がりが出来ておりゴトラント級三隻の艦載機は日本海軍が提供した仙狩でありスウェーデンはこれに独自改修した機体を使用、更にカタパルトを可動型圧縮蒸気式に変更、飛行甲板には艦載機移動軌道とターンテーブルを追加したのである。これは第0連合艦隊の存在や双胴飛行艇富嶽の活躍が大きい。

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