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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 122

医者としては最悪の事態にも遭遇する可能性もある……。
「院長、米海軍病院船コンフォートと護衛空母カサブランカが見えました」
護衛空母カサブランカに横付けする各種内火艇……更に数時間前に到着した第44号輸送艦に搭載した大発も傍に付ける。そして物資が紅鶴へと運ばれる……コンフォートは紅鶴に横付けする形になり医師達も乗務員の治療に当たる。


「つまり……新たなるABC兵器と言う事ですか?博士?」
「ハイ、核反応炉にて使用さレたウラン燃料棒をツカッテイルと……」
橘は確かメンバーに前世平成に没した数人いて湾岸戦争時に米陸軍戦車が使用した砲弾にそのようなモノがある事は文面で知っていた。
「一石博士、艦載航空機に搭載可能と見て間違いないですな」
「ハイ……Uボートには小型化したV型墳進弾の可能性もあります」
日本海軍で言う有翼巡航墳進弾か……確かにV1ロケットをいち早く使用したナチスドイツなら可能性は捨てきれない。
更に言えばロケット航空機、海軍が試作している高度迎撃墳進機“秋水”の様な艦載機をUボートに搭載すれば……頭が痛い問題だ。
「攻撃を受けたリバティーシップの乗務員の証言や船長の航海日誌により黒板をひっかく音が聞こえたと言う事は」
「“ジェット機”デマチガイナイデス」
ジェット機は当時は軍全体ですら周知されてなくまだまだ極秘兵器と言った所だ、ただ日本はナチスドイツとの同盟時代に基礎理論や技術を貰っており国内にある航空機製造メーカーが共同開発と言う形で実用化に向けて鳳翔で試験を繰り返している。米国では既に試験配置が始まっておりこれが交戦中なら日本は負けていただろう……。
あちらは人材が豊富だ……そして資源、広大な領土もある、よく講和まで持ちこめたもんだと橘はつくづく思う。
「次官、米海軍参謀長からの緊急電報です……」
伝令兵である士官候補生は静かながらもその電報相手からただ事ではないらしく、何度か文面を確認して読み上げようとする。
「“HR暗号”か?」
「はい……読み上げます“当該りばてぃーしっぷハ除染フカノウ、貴国海軍ニまりあな海溝似テ積ミ荷ゴトシズメルコトヲヨウセイスル”以上です」
「トウゼンノショチデショウ」
「大和級戦艦三隻による水中直進弾の一斉砲撃では拡散する恐れは無いと思います」
なるほど、米国は戦艦所か潜水艦による雷撃すら余裕が無いと言う事か……橘は空を見上げた。



後日アメリカ軍の調査団により念入りに調べられたシーランドクィーン号は日本海軍の主力艦隊による一斉砲撃と艦載機の雷撃によりマリアナ海溝最深部のほぼ真上で沈められた。
「まさか核反応後の汚染がここまでとは」
「うむ……」
大和型航空戦艦艦長の言葉に司令官織田の口と表情は重たい。
「葵川にも知らせてあるな」
「はい」
ナチスドイツの核開発次第では占領地域が重度の核汚染になる可能性も示唆していた。



極光艦隊&英国東洋艦隊は亜細亜派遣艦隊と合流、更に米国大西洋艦隊と共にシーレーン防御態勢を構築しつつあった。英国東洋艦隊も日本海軍の尽力により戦力を取り戻しつつあるのだが……。
「……畝傍(二代目)の英国Sシップ版ですな」
「各員、畝傍(二代目)に接舷中のS−109潜を見るなっ!」
葵川がこう叫ぶのにも無理はない、S−109潜は女性士官のみで構成され、ただいま畝傍(二代目)による乗務員の入浴支援をしている。当然日本式の風呂である。潜水艦にもシャワーこそあるが構造上、水は海上艦よりもシビアになる。そして密閉された空間故に衛生状態も悪くなる……本来の乗務員は艦長も含めて全員コレラに感染、英国本土海軍としては作戦に穴を開ける訳にもいかない、更にWWTの際に出た人口減の影響は未だに及び、ナチスドイツの侵攻も現実的になって来た。ただ英国はWWT後の労働人口減に女性活用、即ち社会進出を進めそれは軍にも及んでいた。
「しかし、S−109潜がここまで来るとは」
「MI6の士官まで乗っていたと言う事は核関連か?」
葵川の言葉は的を得ていた。

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