PiPi's World 投稿小説

戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 10
 12
の最後へ

戦艦空母艦隊 12

特徴はワルター機関とディーゼルとのハイブリット潜水艦であり、この方式は独逸Uボートでも採用されているが駆逐艦よりもデカイ潜水艦となると現段階ではこのイ1000潜潜水補給艦が最大と言える。この潜水補給艦の存在が日本海軍独自の飛行艇/水上機戦術を実現、真珠湾攻撃の際にハワイにある情報解析施設を壊滅せしめた陰の功労者である。資源国家ではない日本は発電に波浪/潮流を利用する選択肢もある……一時期はその研究者も兵役に就かせていたが橘達は政権を握ると技術者や研究者の兵役を免除しあらゆる分野での研究開発を奨励したのである、その中には軍事転用出来るモノも少なくは無いが研究者達は橘次官から直々に何れは平和利用すると告げ、直筆の念書まで渡されたのである。波浪/潮流発電研究も進み、その一つの成果が制波技術である……簡単に言えば海中に並べた幾多のパイプをロープで繋ぎ合わせ波を制御する、波が少ない海域でも高い波を起こせるし波を小さくする事も出来る……即ち水上機や飛行艇にとって着水出来る海域を人為的に作り出せるのだ。

これにより南洋に展開する航空機隊にとっては島さえあれば基地に出来るし態々滑走路を作る手間が省けるし将来的には南洋に点在する国家の発展にも大いに寄与する。飛行艇/水上機を限定的に利用する米国や独逸とは一線を画すのが日本海軍の飛行艇/水上機戦略なのだ。


アメリカワシントンDCの周辺を戦争推進派らが声を上げる……だが時の大統領ルーズベルトは憂慮しがたい事態になっている。B−30 スーパーフォートレスにB−34 デビルフォートレスの投入に躊躇しているのだ。B−17フライング フォートレスよりも高度が高いが情報機関によると日本海軍の高高度迎撃が楽に到達出来るのだ。つまり護衛機が必要だが高高度を飛べる戦闘機は米国には無い。ハワイに駐留する日本海軍艦隊を爆撃で壊滅する事は簡単に思えるがハワイにもB−17を全滅させた機体が配備されている……。
新設された空軍がB−30による強行偵察をした機長以下乗務員の話によれば目の前の雲を突っ切って登場したのがエンテ型航空機でB−30の真上まで到達、慌ててロケットブースターを使って離脱出来たのは幸運だった。日本軍は高性能レーダーを搭載した航空機まで揃えている事も考えられる……日本の航空機はもはや猿真似ではない、我がアメリカにも敵国ドイツにも肩を並べる。資源が無い国日本がここまで戦えるのはやはりアジア各国の独立を助け、近代化に必要な知識を与えることで資源を確保している。英国も最大の植民地であるインド独立を認めざる得ない状況に追い込まれた。日本の本土上陸も考えられる……いやそうなってくれた方がまだ勝機があるが、情報機関の分析によると豪州上陸さえも素振りを見せないのだ。
この時点でルーズベルト大統領は高崎寅之助総理大臣が単なる軍人上がりの総理ではない事を認めざる得なかった……軍人と言うよりは政治家に近い。彼はCIAからの調査報告書を大統領室の暖炉に放り込む……何が何でも日本との講和はするなと言う事だ、百科事典並の厚さの報告書の束なぞ何に役に立つ?


 金剛を旗艦となる高速機動艦隊はミットウェーへと差し掛かっていた。
「敵さんは見事に引っ掛かりましたね」
「O暗号の肝は電算機だ……これがやられたら危ういぞ」
「肝に銘じてます」
オットー暗号は電算機無くしては運用できない欠点があるも日本は密かに真空管を使用しない電算機を開発……この為に発電機の増設やら必要であったが小型化したとはいえどの船にも積める大きさではなかった。
「大鳳より連絡、敵艦隊ハッケンセリ」
「予想通りだな」
「伊勢より艦載機の発着開始!」
伊勢型戦艦伊勢は扶養型の三番艦となる筈が史上初の空母となった鳳翔の成功により飛行甲版を装着した戦艦と言う事で艦尾にあった主砲塔を外して改装、更に艦中央にあった主砲塔も取り外し飛行甲版を拡張、煙突も斜め下に装着された。
伊勢に姉妹艦の日向の艦載機には艦隊行動作戦支援機と呼ばれる艦隊の運用を支援する航空機の母艦であり、戦闘機小隊は艦直衛の為の存在にすぎない。早期警戒機に電子作戦機、対潜哨戒機の運用を主眼にしている、無論大鳳の様な正規空母にも揃えているが……。
「続けて正規空母群から攻撃隊出撃」
「うむ」
赤城に加賀からも攻撃隊が発進する。
「アウトレンジに仕掛けてきますな」
「その用に仕向けろ……欺瞞暗号を発信し続けろ」
今頃艦内の電算室は戦場だろう。今回からは女性兵士の乗務を始めており多くが電算室の操作員だ。

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す