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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 11

とくに亜米利加は移民により出来た国家故に様々な人種や思惑が入り乱れる、世界大戦が起きてしまった現在……落とし所を求める動きは活発になっていた。後世日本の情報機関はクーデター後に急速に近代化、亡命ユダヤ人の中には独逸のファシスト国家化に失望した独逸人も少なからずおり、幸運にも軍情報部出身者が居て日本軍は彼らを招聘将校として採用した。オットー.ハリウス少将もその一人で日本軍に置ける海外の情報網構築に貢献している。
「ボス、亜米利加国内の枢軸国移民に対する弾圧はオチツキヲトリモドシテオリマス」
首相府にて首相に報告する彼は日本語で話しているのは敵国になった自分を取り立ててくれたので必死に日本語を覚えており、なんとか会話できる状態である。
「亜米利加はファシスト化する事を恐れている……そんな中でも情報提供する彼らの事を思うと」
「ボス、彼らの行動ノ責任は亜米利加大統領の責任です……あノ国は先の大戦で被害がスクナカッタからコクミンハセンソウのコワサヲシラナイノデス」
「オットー少将、生活はどうですか?」
「家内もナレマシタ……コドモタチモ何れは海軍と陸軍ノ為に尽くします」
彼の言葉に首相は少し戸惑うがオットーとしても民主主義選挙で独裁者を選んでしまった責務を考えれば当然の事だ。
「引き続き情報収集をススメサセマス」
「頼みましたぞ」
日本陸軍の制服を身を包んだ碧眼の少将は頷く。



戦局は南方洋付近で小規模な戦闘が起こるもハワイを失った米海軍は苦しい状態になる……豪州も英国本土陥落を陥落と言う最悪の事態になった際に英国王室一家を迎え入れたいと言う思惑もあって対日講和への選択肢も出ている。それは米軍にとって一大拠点を失う事を意味している……最も豪州は日本とは本格的な戦闘をしてないし豪州首相が日本への宣戦布告文書に署名をしているが豪州海軍は古い戦艦思想が支配しており、ハワイ真珠湾の惨状を見て震えあがっている。
米海軍は一つの賭けに出た、日本軍の暗号を解読させる為にミットウェー海軍基地の蒸留水装置が故障したと言う欺瞞情報を流し見事に引っかけたである……しかし彼らは知らなかった。既に海軍は重要な情報は全て新式暗号、後にオットー暗号と呼称される電算機を駆使したモノに切り替えていた事を……。
「大和型航空戦艦一番艦大和の状況は?」
「はい、試験航行も問題なく艦載機運用もゴツイ所がありますが問題ないそうです」
「ミットウェーがお披露目になるか……所で例の一件は?」
「第二次日英同盟締結しだいですね……プリンスオフウェールの改修は」
橘次官は苦笑しつつも思う、よもや日本海軍が英国海軍の船を改修するとは思いもしなかったからだ。
日本海軍にかつて存在していた“薩摩型戦艦”は設計から建造まで日本が独力で行い、計画段階では世界最大であったがこの戦艦が就航した時には英国が革新的な戦艦“ドレットノード”を就航させていたので陳腐化していた……だがこれは日本の技術力を示した事は確かで技術不足を解消するべく英国ヴィッカース社に発注したのが金剛型一番艦金剛である。金剛により足りない技術力を学んだ技師達は他の姉妹艦は日本国内で建造し軍縮の影響で練習艦になったが今は戦艦空母化の為に其々建造されたドックで改装している。金剛は比叡の回収が済むまでは戦艦として運用する予定だ。
「何処まで技術提供できますかねぇ」
「缶の取り換えや防空火器の更新、主砲は大和型を流用してもいいだろう」
「そこまでするのですか?」
「亜米利加には闘う相手が我々よりもナチス独逸だと示したいのさ、落日の帝国やら言う奴は言わせておけ」
言論の自由を認めている手前、あんまりマスコミを敵に回したくない橘にとっては結果を示せばそんな奴はぐうの音も出なくなる事は知っていた。
「ミットウェーでの戦いは出来る限り避けたいのですが……ハワイ奪還をされては困りますからな」
「坂本海軍総長、頼むぞ」
「はい……例の新式水上機に潜水補給艦投入も出来ます」
新式水上機ミットウェーまでの限定機密扱いだが潜水補給艦イ1000潜の存在を知るのは海軍省でも限られた関係者しか知りえない超秘密兵器である。補給艦の潜水艦化は戦局の悪化を見越して研究が進められ、ユダヤ人科学やや技師、極少数だがUボート開発に関与していた独逸人(後に彼らは独逸解放セクトと呼ばれる組織の中核になる)らによりイ400潜よりもデカイ潜水艦を完成させた。それがイ1000潜と呼ばれる潜水艦である。

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