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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 108

そんな彼らでも共通して一致しているのは祖国フランスでのナチス傀儡国家であるフィジー政権の連中をギロチン台送りにすること位、それをする事が出来るのはどの亡命政府か……米国も内紛が起きないか気が気でならない状況と言える。
「フランクリンが居ればもう少し盛り上がっていたでしょうな」
「ええ、私は同期に居る連中に言っていたことがあります。彼が太平洋方面の指揮を執る時には気を付けた方がい言ってね」
「最大限の褒め言葉ですな」
「彼の卒論を見る機会がありまして……同じ心理学を追求する者としてではなく海軍将校として脅威を感じてました。彼が指揮すれば日本は軍事的に負けていたと思います」
アイゼンハワードは苦笑する、本当に彼を活用するタイミングを逃した事が悔やまれる。
だがその反面米国はこれまでないパートナーを得た……同等の国力を持つフランスがハーゲンクロイツに屈しイギリスも上陸されるのは時間の問題となっている今、列強後進国である日本が頼もしく見えた。無論現場の将校らの中にはイエローモンキーと揶揄する者もいるが揶揄した相手にコテンパにやられた現実がある。
「彼は現在はインド洋に派遣されており通商破壊作戦を指揮している」
「畝傍(二代目)では荷が重くなっている今では助かります」
「流石に目を丸くはしたよ」
「天海艦長の無茶ぶりは今に始まった事は無いですからね……」
破天荒過ぎてどの現職の将校にも印象が深いのが天海艦長だ……無論階級が上の将校が多いが恩師である事は間違いはない。葵川も海軍で干された時期に何度か彼の仕事を無償で手伝った事もある。
「中東地域の開放は資源流入を防ぐよりも核物質爆弾実験阻止が目的ですな」
「航空機搭載なら小型化するでしょう……爆撃機搭載サイズに」
ホワイトハウスが空爆された事を考えると大型化と小型化を双方進めている可能性すらある。その起爆実験を阻止する為にも中東の開放は重要なのだ。
「会談中失礼します!インド洋派遣艦隊が敵艦隊戦に突入!」
「なっ!」
「意外と速く動きましたな」
「狙いは核爆弾実験阻止と察したんですね」
トルーマン大統領は驚いていたがアイゼンハワードと葵川は予想していた様な感じで言う。
「ウネビは敵航空隊の攻撃を受け中破、アンショウマル雷撃を受け航行不能……現在豪州派遣艦隊らが救援してます」
側近の一人の言葉に葵川は言う。
「詳細をすまないが飛鳥にも伝えて貰えないかね?」
「ご心配なく、既に伝令兵が伝えている筈です」
葵川は考え込む。
「葵川司令官、米国は核爆弾の実戦使用を阻止する為なら日本政府との協力を惜しまない……そう伝えてくれないか?」
「大統領閣下……元は」
「我々はロモアラモスで見たのだよ、これが戦場で使われたらこの世の終わりと」
トルーマン大統領の表情は曇っていた。
「今宵の事は全て報告書として東京に送付します」
「ヨシムネ アオイカワ……君は政治家になるべきだ」
「それは出来ません、私は軍人として生涯を閉じたいのです。それが列強時代に生きた自分への戒めです……」
「武士道か」
葵川の心情にトルーマンは理解した。



インド洋にて安将丸は雷撃により出来た傾斜を戻すのと艦内にて発生した延焼を食い止める為に注水を開始した。
「艦長……浸水が止まりません」
「総員退艦……」
それは安将丸の最後を意味した。
「豪州派遣艦隊旗艦キャンベラより入電、安将丸艦載機全て着艦」

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