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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 103

江戸時代の鎖国が大いに影響を受けているのも一因と主張する研究者も居るが……今の状況なら英会話率の低年齢化は避けられないだろう。
「とにかく、マダラスカル島奪還戦には輸送船団護衛が大事になる。米国の対Uボート戦術は大西洋仕込みだしな」
「水雷艇母艦と水雷艇で何をするんでしょうか?」
「葵川司令官の十八番だ、米国もなに振り構わずにやっているじゃノぉ」
“水雷艇母艦”に転用されたレプザイゼルは改修されており小規模ながらもヘリ空母として側面を持っている。今回はUボート拿捕作戦として海兵隊から選抜され試験的に編成された船内強襲班が乗りこんでいる。戦後これが海軍の特殊部隊のルーツになるのだが……。
「安将丸飛行隊から入電、ドイツ輸送船団発見、その中に潜水補給艦数隻カクニンセリ、位置は……」
「OH!こんなまっ昼間から浮上補給なんてナメテマスネっ!」
「たしかに……こんな近いのに」
砲術長であるルーシーは言う。
「ここはアメリカさんにまかせちゃお」
「そのようね……あちらもヤル気ね」
ニュージャージからの発光モールス信号を見た艦橋要員はあちらの事情を察して返信する。
「安将丸艦載機全機、対艦攻撃にして発進します」
「後方の艦隊からも既に攻撃部隊がデテルヨ?」
九鬼はふと思う、発見されたのは紅海……位置からしてイラン/イラクへと向かうルートだが欧州と中東を結ぶハーゲンクロイツラインと呼ばれる鉄道網は完成している……。
「鉄道では運べない物……」
「噂の核物質爆弾かもしれんな」
天海も態々大船団を形成して海路で運ぶ必要にピンと来ていた。
極秘裏に運ぶなら裏を突く……今のドイツは劣勢覆すには核物質爆弾を主要都市に落すしかない。ホワイトハウス爆撃はその予行演習なら……日本軍は徹底して核物質爆弾開発を阻止するしかない。



極光艦隊とは大西洋上でドイツ海軍の各艦隊とは小規模の小競り合いが続いていた。ドイツ海軍は本格的な空母運用が手探り故に中々大西洋上で動く事もままならない……相手はだいぶ前からの海軍国家、しかも空母運用に関しては日本は侮れない。ヒトラーのUボート偏重による影響は未だに残っておりソ連をほぼ落した陸軍とは対象的に海軍は苦しくなっていた。本国参謀本部では体たらくな海軍将校を陸軍将校が詰り流血する事態に発展、結局総統府が双方を宥めていた。
これが数度別の将校同士で起きているのだから総統府としては頭を抱える事態だ、その体たらくな海軍にしたのは陸軍である事は事実……これに加えてヒトラーのお気に入りと古参将校との現場での対立やトラブルも目立ち始めアフリカ戦線は混沌としてきた。
「事実なのか」
「はい……極光艦隊がN.Yを表敬訪問は間違いないです」
総統府にある統合参謀本部の将校らが恐れた事、それは日米が手を取り合う事態である。ヒトラーが心血注いでいるユダヤ人抹殺と言う野望が世界中に知られるようになり、米国市民も“ナチスドイツよりも日本との手を組んだ方が正義”という世論が形成されていた。

それを世論誘導したのはユダヤの血が流れる欧州系移民、特にドイツ系ユダヤ人は他のユダヤ人からも白い目で見られており否応無しに志願兵になる事もあるが経済界に身を置く者達はマスコミ各社の株主になっている事も多い……つまり日本を味方に付けるようにホワイトハウスに要求しているのと同じなのだ。
「極東エレサイム共和国建国の見返りの一つか」
流浪の民であるユダヤ人にとって祖国奪還は悲願だ……しかしナチスを排しても今度はイスラム/アラブ系に囲まれているかつての祖国に戻るとなると間違いなく戦火になる、WWV所かWWWの火種すらなりかねない。ヒトラーは富を独占するユダヤ人を抹殺する事を国民に約束させたのはWWTの敗戦による多大な賠償金によるものがユダヤ人によるものとしている。敗戦による経済混乱を経験したドイツ国民にあっという間に反ユダヤに染まるには時間がかからなかった。

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