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日ノ丸ノ国戦争白書
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日ノ丸ノ国戦争白書 3

「こ、こんな戦術を使うと言うのかね!?」
「これがアメリカに対する一番の有効策であると私は思います」
しばらく議論は続けられたが、結論は次回保留で決着した。
山本長官は帰りの車内にて、側近に尋ねた。
「君はどう思う?」
「何とも言えません。しかし、今まで我々が出してきた戦略の中で一番合理的でありました」
「そうか…」
山本長官はしばし考察して、結論を下した。
「決めたぞ」
次の会議において、神威 零中佐の代替案が正式に受理された。
時に皇紀2600年 オリンピックが終わる夏の終わりであった。




あれから1年が過ぎた…
神威はとある場所に来ていた。


―呉工廠


此処では日本の命運を背負った戦艦が建造されていた。
「いよいよ完成ですね、近藤大佐」
神威は隣に立つ男に尋ねた。
「ああ、もうすぐだ。これが完成したら世界最強は間違い無しだ」
近藤は誇らしげに言う。
「そう言えば貴方が艦長でしたね。おめでとうございます」
「いやいや、君らのおかげさ。君ら“Z機関”がこの戦艦を造ってくれたから俺が艦長になれた。感謝してるよ」
「いえいえ、大佐の実力ですよ」
「まぁな。ところで、何時ごろ出撃命令が下るんだ?」
「それは…」
神威は言い渋った。何故なら…
「何ッ!? 最低3年も無いだと!」
「申し訳御座いません。当初はこの艦を英独支援艦隊旗艦にする予定でしたが、同じ最新鋭戦艦の“紀伊型”2隻と“播磨型”2隻に決まりまして…」
「まだ米艦隊がいるじゃないか。例の作戦までには十分間に合うぞ」
「残念ですが大佐。例の作戦では『加賀』『土佐』『長門』『陸奥』の4隻を中心に進めています」
上記の4隻は『八八艦隊』計画で建艦された16インチ砲戦艦である。
「あの艦か…、くっそ〜」
「文句は言わないで下さいね。それでは私は時間ですのでこれで失礼します」
神威は呉を後にして、待機させていた車に乗り込んだ。
そして神威は東京へと戻って行った。

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