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日ノ丸ノ国戦争白書
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日ノ丸ノ国戦争白書 1

皇紀2600年
日本では、東京オリンピックが開催された。
それは世界が戦争へと突き進もうとしたなかでの、平和を維持するための苦し紛れであった。
日本はここぞとばかりに国力をアピールし、世界中に宣伝した。
この夏のスポーツの祭典が、最後の平和となった。



一人の男が此処、帝国海軍司令部のとある会議室へ続く廊下を歩いていた。
その男性は一見すれば少年とも間違えられそうになるほどだが、彼は間違いなく帝国海軍の仕官であり、無論成人である。
その男性は、会議室の前まで到着し、深呼吸してジッと前の扉を見据えた。
「帝国海軍第一航空艦隊作戦部所属、神威 零中佐入ります!」
彼はその会議室の扉を開け、中に入った。
その会議室には、帝国海軍の上級将校がずらりと居座っており、只ならぬ空気を張り詰めていた。
その将校らのトップにいるのが、帝国海軍連合艦隊司令長官 山本 五十六である。
「では、本日の主賓が来たので始めようか」
山本 五十六はそう言って切り出した。


「本日の議題は、対米戦略構想の見直し案の真偽を問う事である。見直しを提案したのは、第一航空艦隊作戦部であり、今日に代替案を出すと言う。そこで作戦部で代替案を作成した、神威中佐に出席して頂いた。
じゃあ、神威中佐。説明を頼む」
将校の視線が、神威に集まる。
彼はそれに臆する事無く、全体を見据えた。
「では私、から代替案を提出する前に、現状の戦略構想の問題点を挙げたいと思います。まず、近くアメリカが突き出すであろう強行案に対して我々は、アジアの列強からの防衛を名目とした開戦に持っていきます。これは当作戦部は問題ないと解しております」
神威は将校一同を見渡す。まだ反応がない事に安堵する。この次が問題なのである。

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