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バトルロワイアル・ショッキングピンク
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バトルロワイアル・ショッキングピンク 3

刃物で切られでもしたらあんな傷がつくであろうか、とにかくそんな事態になるような二面性のある人間が信用出来るわけがない。
こうして切り捨てていって残るは藤堂和成だけになった。
和成はなにを考えているか分からず、不気味だ。彼には一般的な学生らしさが無かった。
機械的な程に従順で扱いやすい生徒ではあるのだがそれがまた不気味で教師からも嫌われていた。
一番信頼出来ない気味の悪い相手だ。どういう行動をとるか分からない男を仲間にして良い事があるわけがない。

槇は最初に出会った和代で手を打っておくべきだったと後悔した。
人と広く浅くしか付き合わない槇の学校生活をなぞったかのような展開だった。
槇はとりあえず和代の居た辺りに向かって引き返そうとした。
やれることがそれしか思い付かなかったのだ。一人で居る事だけは避けたかった。

しかし、最悪な邪魔が入った。
無防備な槇目掛けて黒く光る金属の塊が飛んでいた。
コルトガバメントから放たれたほかほかの鉛の塊だった。京一が連射したのだ。
その金属は槇の左耳を切り裂いた。肉片が飛び、嫌な音が槇の脳内に響く。
「ぎゃっぎゃーっ」
槇は爆風に吹き飛ばされたように倒れこむ。
「な、なぜ!」
京一の穏やかな笑顔だけがフラッシュバックした。
ビカーンビカーン…。このどこか寂しげな笑顔の回想を京一の声が吹き飛ばす。
「自分はいつもいつもいつもいつも不幸で不快な思いをさせられ踏みつけにされてきた。そしてようやく巡り合った愛する女も謎の不審死。自分は平穏な人生を生きる事が出来ないんだ。だからとことん殺人を楽しんでやる」
「奈々は自殺よ!受験のノイローゼで死んだのよ!」
「違うな、逃げる女の姿を見た」
正確にいえばさらりとした長い髪がなびくのをほんの一瞬見ただけなのだが。

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