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バトルロワイアル・ショッキングピンク
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バトルロワイアル・ショッキングピンク 2

とにかく和代は大きく揺らいでいた。
三枝の存在が近くに無いからだ。
和代は三枝からパシりのような扱いを受けていた、そのおかげで自分というものが無い学校生活を送ることになってしまっていた。
不良グループでもなければ、一般グループでも無い。それどころか孤立すらもしていない。
それと真逆の位置にいたのが中井 槇だ。
槇はクラスの女子の中心に居た。
悪い意味での広く浅くの人間関係ではあったが彼女を嫌う人間は誰ひとり居なかった。そのおかげではっきりとした友人が居ないにも関わらず平和で良い学校生活を送れていた。
それに和代と違い、精神的にも自立しのびのびとしている。

「あの槇ならどうするだろうか、このゲームを止めようとするのだろうか」
和代は呟く。
和代は槇がこのゲームに乗って武器を振り回している光景を想像する事が出来なかった。クラスメートと一緒に笑っている光景しか記憶になかったので。

一方その頃、当の槇は和代の姿を確認していた。
和代の予想通り殺し合いには乗らず仲間を探していた、だが和代には声をかけないでそのまま立ち去った。
和代は「三枝のグループの一員なので信用出来ない」と判断したのだ。
ある意味ディスられたので、和代はその場で殺されずに済んだ。しかし、槇が露骨に自分の立場と武器に胡座をかいてると知っている和代は、仲間でないし油断してる時なら自分でも倒せると思えた。
強制参加ながら、生き残れればいいというシビアなゲームなので、何の恩や義理もない口がうまいだけの八方美人の命を奪ったからといって心は傷まない。
もし首尾よく射殺できれば、テレビで中継されてなくとも噂になって三枝の耳にも入って一目置かれるかもしれないと和代は感じた。
逆に最も恐るべきは京一の拳銃だと結論付ける。和成の武器は角材や鉄パイプで受け止めれば、その間に撃てばいい。消音拳銃を手にしたことでワイヤーだけの頃より打って出るチャンスを得る。

殺意を持たれているとも知らない槇は、今度は京一の姿を確認した。
京一はどこかで見つけてきたらしきミネラルウォーターを飲んでいた…が、油断はしていないようだった。目付きは鋭く、左手はコルトガバメントにのびている。
槇はまたしても「信用できない!」と考え、立ち去る。
京一は穏やかではあるが、暗い面を持ち合わせているからだ。信用できないのも当然だった。
それに意味深な顔の傷も気になっていた。本人は階段から落ちたからだ、と説明していたが階段であんな鋭い傷がつくわけがない。

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