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lost/bombs
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lost/bombs 78

「今晩の夕食はジンギスカンにしようかな」
背中の大翼が弾ける。
無数の銃口、砲口、弾口が現れ、無数のレーザーサイトが生まれた赤外線がヤギ――山羊の騎士団長メロへと突き刺さる。
「FIRE」
無数の『口』から放たれた弾丸、砲弾、銃弾の総合数など数えることも馬鹿馬鹿しいほどの連射。一秒間で六千発の銃弾を放つ機関銃すらも凌駕する圧倒的な掃射。
迎え撃つのは人外の魔剣より放たれる刃の嵐。
再び二人の間で展開される火花の乱舞。しかし、先程の火花ところじゃない。二人の間で展開される火花は既に劫火、灼熱の劫火となって視線を遮るほどだ。
更に、二人は撃ち合いを続けながらも動かないつもりはなかった。山羊の脚に力が込められ、空へと跳ぶ。銃弾が掃射が今までいた場所を切り裂き―――突き抜ける。
「チッ!」
刹那が始めて舌打ちした。
翼の口が上へと向けられ、掃射が開始される。同時に上空の山羊からも斬撃が降り注ぐ。
再び生まれる爆炎の横断幕。しかし刹那は唇を噛み締め、忸怩たる思いを噛み締めた。
「上の理をとりやがったか」
たとえ音速を超える銃弾でも重力の因果は働く。たとえ直線状でも、上への発砲となれば、それは減衰と言ってもいいほどだ。しかも下から上の狙撃は減衰しても、上から下への攻撃は増加する。しかし刹那が不満げに眉を潜めたのはそのことじゃない。
「骸の口調が映ったかな?」
舌打ちしながら刹那は地面を駆け抜ける。上空から降り注ぐ刃が大地を分割し、地層が亀裂となって崩れ落ちるのが見えながらも片翼が銃撃をやめ、グニャリと粘土のように姿を変える。銃身から変わったのは槍のように鋭い矛先だった。矛先には無数のケーブルが接続され、切っ先には小さな銃弾が収められている。

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