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lost/bombs
その他リレー小説 - アクション

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lost/bombs 76

「生きてますか、骸?」
「こ、この野郎。助けに来るなら最もマシな方法があるだろ」
凍傷になりかける全身を動かして現れた根国に睨むと彼女は肩を竦めた。
「助けに来ただけでもありがたいと思ってください。私達の関係は利害のみのはずでしょう」
「だからこそ早く助けに来いよ。そろそろあのポンコツがやってくる所だっただろうが」
「右目から血が流れてますね」
骸の恨み言をスッと無視して根国が血涙を流す右目を指差す。
「無理かよ。ったく、これか。そうだな、コイツはもう駄目だろうな」
痛みがあったならまだよかった。しかしもう既にこの目は痛みすらも無い。
ただあるのは異物感。体が瞳の魔力を感知出来ない。
そうなれば、後は切って捨てるだけだ。
「新しい魔眼を移植するしかねぇだろ。炎産霊ほどの威力は出来なくても多少はマシになる」
「魔眼の移植は普通死にますよ」
根国は冷静そうに呟く。洛妖でも魔眼持ちはさほど、いない。しかも移植など血や呪の似通った存在しかしないものだ。ファクトリー出身の人狼。それも従来の人狼とは異なる特異体となると絶対に魔眼との拒絶反応が起こる。
「死ぬ確率があるだけだろ。必ずは死なない」
「それは九割の確率だとしても必ずは死なないでしょう」
「それにどうせ死ぬんだ」
骸は顔半分を真っ赤に染めたままで笑う。
「あの化物を殺す決めた。なら既にその時から死ぬのは恐怖じゃない。武器だろう」
「カミカゼならぬ人間弾道ですか」
「なるなら核弾頭になって帰って来たとか吼えるさ」
「?」
「突っ込みどころか、わけわかってねぇ!?」



二人の高速戦闘の間で火花を散りあって激突する光刃。
「・・・・・やるな」
異様に手足が長い男がそう呟いた。背中には足元までもある長大な日本刀が二振りあり、それらが霞むのように動きにつれ、斬撃が音も後にして走る。それを弾くのもまた同じく音を置き去りにした刃。

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