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lost/bombs
その他リレー小説 - アクション

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lost/bombs 71

一つ一つの武器はショボい。名刀や名剣は少なく一個千円以下のバタフライナイフなどもある。しかしそれらが無数となれば脅威だ。立ち上がりながら骸は皮肉を呟く
「コレクターの癖に無造作に扱うんだな」
「兵士を無造作に扱わない将軍がいるかい?」
「お前の下につく部下は苦労しそうだ」
両腕の感覚はない。それは無痛覚という意味じゃなく肩から先がまったくないのだ。炭化した指を動かそうしても全く反応しない。ったく咄嗟のこととはいえ、炎産霊の威力を間違えた。
両腕に感覚がないことは相手にばれてる。
どうして、という疑問は無視した。もう先程から何度こちらの攻撃が読まれてるのか、忘れた。恐らく光橋の能力は相手の心を読み取るまではない。恐らく自分の中に浮かぶ質問をイエスかノーかで答える程度。
「正解」
光橋の足元の影からナイフが弾丸のように飛び出す。
炎産霊で打ち落とそうとする寸前、右目に激痛が走る。手も押さえられない状態で辛うじてナイフを躱すがドロリと鉄臭い液体が右目から滴り落ちていた。
「血の涙なんてお洒落だね」
「黙ってろ」
右目には激痛のみで視力がないことはわかった。炎産霊の爆炎生成は双眸の視線を交叉させる地点に収束させる力だ。片目だけでは仕えない。幸いに炎を操作することだけなら一つで十分だが、それも炎が徐々に沈下していくこの状況でどれだけの効果がある。
地面に残った種火を操作して足に備えていたナイフの鞘を焼き切る。
地面に落ちたナイフを足で蹴り上げて口に咥えた。刀身には炎を作り出す為の液体爆薬が塗りこまれてる。これで炎産霊の変わりにするしかない。
「ひゃいはいら!」
「? ああ、再開ってことか。いいよ」
光橋の影から無数のナイフが散弾の飛び出す。直前上の全てを抉り削り突き刺さりながら骸を穿とうする刃物の群れを横に飛んで躱す。そのまま反転するように前に飛ぶ。刃の攻撃の間に衝撃波の槍が襲いかかってきたのだ。物量で押す光橋の攻撃と、一撃必殺の槍。

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