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lost/bombs
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lost/bombs 66

血兎の唇は不満げに呟く。
「なんで来たの?」
「君が心配だったからさ」
少年は優雅に微笑むが、その答えに少女は舌打ちした。
「何、私の楽しみをまた横取りするつもり?」
「死にかけていたくせに」
まるで口喧嘩。いや、口喧嘩そのもののような会話。
骸は白髪をオールバックのように指で整え、犬歯をむき出しにして獰猛に笑う。
「兎と猿か。まさか二人も騎士団長がいるとは思ってなかったな」
「それは僕らの台詞さ。まさかこんな所に、あの水月骸がいるなんて思わなかったよ」
少年は笑いながら右手に握った盾を影の中に沈め、再び影から新たなる武器を取り出す。
あれが影を利用にする≪影猿≫の能力か。そこに貯蔵しているか、それとも他の場所と転移する能力を持ってるかは分からないが、かなり戦闘力としては低い能力だ。
勿論、それを補う為の何かは持ってるんだろうが。
「俺はお前らを殺そうと思う」
淡々と骸は呟き、外套を引き千切って血塗れの右腕へと巻きつける。傷の手当てじゃない。いざとなれば右腕を盾にいる為の防御策。サングラスの奥の双眸で二人のたち位置を確認し、全身の緊張を高める。
≪猿の騎士団長≫光橋国利は鉈を構えて柔らかに笑う。
「うん。殺し合いは殺しあってなんぼだからね♪」
「・・・・・私も参加するんだけど」
「2対1だけど、ハンデはあげないよ」
「ハンデはいらねぇよ。欲しいのはテメェラの首だ」
軽く膝をたわめ、人狼としての身体能力を持って一気に後ろに跳ぶ。十数メートルの跳躍。同時に炎産霊による高熱の壁を発生される。灼熱の炎が無数の衝撃波の弾丸に穴だらけになり、そして炎を切り裂いて光橋が迫る。
「伸びろ」
光橋の握る鉈の柄元が鞭のように伸び、刃が首筋へと迫る。それを潜って交わし、視線の発火ではなく前方に視点を収束させ、十六の火球を生成し、それぞれを弾丸のように撃つ。
鞭のように撓らせる鉈によって自分にあたる火球だけを切り裂いて再び吶喊する光橋。スレスレで通り抜けようとする火球を炎産霊で爆発させる。
「っ!!」
突然の間近での爆発に光橋は吹き飛ばされ、そこへ炎産霊を叩きつけようとするが衝撃波の弾丸が襲い掛かる。

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