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lost/bombs
その他リレー小説 - アクション

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lost/bombs 50

今ならわかる。今までの殺戮は練習だった。
それで殺された者には恨まれるだろう。何故なのと嘆かれても、しょうがない。
そういうことをしてきた。・・・・本当の化物を倒すために。
それなのに一撃。たった一発の攻撃で俺は地面に倒れている。必死に強化によって立ち上がろうとするが体が能力の命令を全く効かない。
雄太自身にはわからないが虎仙の一撃は能力を使う為に回路。科学者は気付いてない≪精神経絡≫を寸断していた。勿論、完璧に断ち切ってはいないが、この状況は遥かに危険だった。
ただでさえ重傷。身動きも出来ない状況で能力を使っての治癒も出来ずに、激痛と絶望に打ちひしがれる雄太の前に小さな足が降り立つ。
「駄目じゃないですか。こんな所で寝ていちゃ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
誰だろう?視界は綺麗だが首は動かせない。少なくとも見える範囲にいないことは確かだった。
「李徴ちゃんも少しは手加減して欲しいよね。主役がこれだったら物語が続かないじゃない」
「?」
「本来ならこんな所で私が手を出すべきじゃないんだけど。≪約束≫の件もあるし、しょうがない。今回だけはサービスだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・ぁ?」
「えいっ!!」
ずどんっと凄まじい衝撃が来た。
意識を全て吹き飛ばしそうな、手足の末端から脳の端っこまで凄まじい電撃にも似た衝撃が走りぬけ、体が跳ね、口から本当に煙が出た。
「がはっ!!」
大きく吐いた呼吸と共に血が飛び散る。それでも・・・手足の感覚が、能力の感覚が戻った。
「うんうん、良かったね。でも、もう少し考えたほうがいいよ。君は能力を無駄使い。強化なんて君の能力の欠片程度なんだから」
雄太は少女の姿を探すが、既に影も形も無い。
誰だったんだ、あれは?
首を傾げる中で、雄太は治癒を強化しながら立ち上がる。バキバキと音を立てながら肋骨が修復していくのが理解し、そして上空が何度も光爆が吹き上がる。
既に人の形は豆粒ほどでしかないのに、圧倒的な光は空を埋め尽くす。一体、どれほどの熱量が振るわれてるのか、背筋が震えるぐらいだ。

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