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lost/bombs
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lost/bombs 44

「それ、個人の問題じゃなくなるわよ。いざとなれば騎士団と結社の全面戦争にもなりかねない」
「言葉足りませんでしたか。我が盟主の願いなのですよ。全面戦争だろうと誰が死のうと結社が滅びようとそんなことは・・・・どうでもいいのです」
それは断言だった。
何百人が死のうとどうしようと関係ないとある意味斬り捨てた。
黄泉が二丁拳銃を引きつき、その銃口を傀儡使いと雄太、それぞれに向ける。
黄泉にも戸惑いがあったんだろう。だから遅かった。
そして余りにも油断していた。
その隙を傀儡使いは見逃さない。
鋼鉄すらも両断する糸が直線となって黄泉へと迫り、その両腕を切断し、更には胴体を薙ぎ払う。千切れ飛ぶ胴体と両腕は血を噴出しながら地面を跳ね、そして壁に床に激突。傀儡使いはその死体を更に糸を使って細切れにし、更には切断した鉄柱で頭蓋骨ごと脳味噌を串刺しする。
そこには既に人間の形すら残ってない血の海の臓物のみが湯気を立ててしずんでいた。
「早く行きましょう」
「ああ」
余りにも容赦ない斬殺に雄太が眉をしかめる。
それは今の非道な攻撃ではなく、その速さに。
今までの戦いの間で放たれた糸の速さはある程度予測していたが、今のはそれより三割早い。
全力ではなかった。もしかしたら、今のも。
あれほどの速力で縦横無尽に糸を放たれたらまず近接戦闘を主とする雄太では勝ち目が薄い。
そんなことを考えながらも、雄太は傀儡使いの後をおって廊下へと出る。
決して急がず、他人に不審がられないように静かに自然に騎士団の中を悠々と歩きだした。


―――桃栗黄泉、完全蘇生まで、あと三分―――。

騎士団の廊下は人の気配が一切ない寒々しいものだった。牢獄に繋がる廊下ゆえか、それとも他に理由があるのかはわからないが、この調子なら黄泉の死体を見つけるものはいないだろう。
それでも急がないように歩いていた雄太は、傀儡使いから質問される。
「草薙さん。黄泉の能力を知ってますか?」
「いいや、超再生能力か?」

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