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lost/bombs
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lost/bombs 5

そして、そこで目が覚めるように今先の眼鏡の女性の正体に気付いた。
「ああ、よく考えりゃ、昔のお隣さんじゃないか」
両親が健在のときはよくお世話になったもんだ。勉強も見てもらっていたし、そこそこ仲も良かったと思う。悲しいことに過去形で、記憶も朦朧としているが。
「今度あったら一応話してみるか」
雄太はそう呟きながらソファに寝そべる。
アルコールが入ったおかげか、瞼は重く、意識がゆっくりと沈み込むように温かいまどろみの中へと落ちていく。
「・・・ふわぁ・・・・名前は、なんだっけかな・・・?・・・」
眠気に徐々に理性を奪われながら、あの女性の名前を思い出そうとして、そのまま眠ってしまった。



そして六時間後。
「なんだ、これ?」
思わず呟いた言葉と共にゴトッと胸に置かれていた人狼の生首が落ちる。どす黒い死体の血が胸元が真っ黒になっていたが、そんなことは今はどうでもいい。
何故、それがここにあるのかが、一番の要点。
「寝すぎだぞ。少年」
声に思わず振り向き様に側にあった瓶を投げつける。
高速で走る瓶は、しかし、見えない壁があるように直前になって砕け散り、そこにいた人影には当たらない。
「誰だ?」
全身をミイラのように薄汚れた包帯で包んだ人影。女か男かもわからない。ただ包帯の奥から覗く朱色の双眸が只者じゃないことだけは示していた。
「君のファンだ」
「悪いな。俺はファンはいらねぇんだ」
寝ていた体勢から跳ね起き、隠していたナイフを引き抜き構える。ニ刀のナイフを交叉させるように構える俺に対して、相手は無手。ただ今先の技からして油断は出来ない。
「どうしてここがわかった。いや、昨日の奴を見ていたのか?」
「問いただす気もないくせに」
質問を不満げして無視する人影。
たしかに、と雄太は唇を舐め上げながら全身の血脈を強化、寝ぼけ眼に高密度のアドレナリンを叩き込み、活性化させる。
「ああ、悪かった。俺がお前に言う言葉は一つだ。・・・死ね」

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