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lost/bombs
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lost/bombs 39

「っ!」
爆風が身体を揺さぶる。呼吸が苦しいほどの超高速、全ての風景が流体となって後ろに流れ、雄太の踏みしめる足元の地面が物凄い勢いで砕かれ、後ろに飛んでいく。正確には雄太が超高速で動いているのだが。そのまま雄太は直進し、加速しながら向こう側にあった家へと蹴りを叩き込む。轟音と共に壁はぶち抜かれ、ギチッととんでもない付加が左足にかかるが、≪二重強化≫して耐える。
そのまま反転、体中の間接が軋むが無視して、けり足からの反動を使って前に飛ぶ。虎仙は先程のままの地点にいた。・・・・嘗めてる。前進の筋力を前進させ、ただ拳を固める。
呼吸を整えろ。意識を刹那に凝縮させろ。
炎を圧縮し、一点で爆発させるように殺意を収束させて相手に叩き込め。雄太の姿が映画のコマ落しのように掻き消えながら虎仙へと近づく。
虎仙の細い瞳の奥で、獣のような細い瞳孔が笑う。
「面白い。技も知もなく力のみで縮地の領域へと入るか」
虎仙の口元から白い蒸気にも似た吐息が吐き出される。この瞬間、虎仙の体内で練りこまれた内剄は桁外れ――『街』に棲む大型獣魔にも匹敵する巨大さだった。
ガリッと奥歯が砕ける音と共に口の中に広がる血の味を雄太は噛み締める。
拳が放たれる。
残影ともいえる速度で放たれた拳は虎仙の胴体へと着弾し、そしてそのまま加速の付いた雄太の体ごと虎仙へと激突、爆発にも似た轟音が当たりに響き渡り、大地が衝撃波に吹き飛んだ。

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