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lost/bombs
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lost/bombs 37

「死んだ」
即答。雄太は僅かな躊躇もなく答え、心に刺さった棘を無視した。
「お前が殺したのか?」
「いや、知り合いの人狼が殺した」
「知り合いの人狼? その人狼の能力は氷と炎、どっちだ?」
「氷」
答えると騎士団がざわめく。弧月の人狼だ。あの子か、さすがだよな。しかし赤犬でなくて良かったよな、アイツの場合、周りの物容赦ないから。
どうやらあの兄妹は騎士団とは関係あるようだ。時折、妹の評価に混じって兄のどんでもない悪評が立っているが、それは雄太自身もほぼ同じこと。
「質問2.お前は何故、騎士団を襲った」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
当然至極の質問でありながら答えるのが難しい。そのままで言えば、桃栗黄泉という女が騎士団に関わっているからだと答えれば言いのだろうが、そのまま言っても何故、この騎士団を襲ったのかの理由にはならない。
「答えないのは黙秘か?」
「いや違う。答え方を探してた」
「別に礼儀など・・・・・いや、お前は見るからに礼儀などは気にしないじゃろうな。覚えたとしても使う気はない。そういう空気を纏っておる。まぁよい。答えよ」
「・・・・・騎士団長の一人に腹が立つ奴がいた。だから喧嘩を売ろうとしたら相手を間違えた。ただそれだけだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
沈黙が過ぎる。虎仙は何ともいえぬ顔をした。笑っているような呆れてるような困惑したような顔だ。
「・・・・・・・まだおったか。このような阿呆が。ふむ。おもしろい」
何がわかったのか、クククッと口元に手をやり虎仙は周りの騎士団に言う。
「お前らは帰ってよいぞ。こやつは儂がどうかする」
「わかりました、師匠。ですが、また前回のようにしないでくださいよ」
「わかっとるわい」
老人の台詞に騎士達は素直に従い、そのまま外へと出て行く。その途中、全身に砂埃を帯びた騎士の一人がじっと睨むように雄太を見ていたのが気になったが、あれは恐らく初撃の一人だろう。容赦なく無視した。
「・・・・・ッ!」
激怒の雰囲気がどっと沸きあがってのるが見てたが、それも無視して虎仙に声をかける。
「それでまだ質問を続けるのか?」
「いいや、儂が飽きた。いざとなれば騎士団直属の尋問部隊がおるからのぅ。それよりも儂が気になるのはお前じゃ」
「?」

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