PiPi's World 投稿小説

lost/bombs
その他リレー小説 - アクション

の最初へ
 23
 25
の最後へ

lost/bombs 25

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
返事するのは億劫だったので無言で朧の後ろについていく。そして気付いたのだが後ろで束ねた銀髪が動く度に左右に揺れている。ポニーテール(馬の尻尾)とはよく言ったものだ、この場合は狼の尻尾だけど、と雄太が意味も無く笑いにもならない冗談を考えつつ人ごみを書き分け、たどり着いたのは焼肉屋だった。
「ここがそう。焼肉、城叙炎」
雄太自身も焼肉は嫌いじゃない。強化の連続酷使は体内の筋肉を磨耗させ、それを回復させるにも大量の蛋白質やビタミンなど・・・・簡単に言えば大量の食事が必要だからだ。雄太自身も何度も焼肉屋に通ったことがある。
しかし昼間から焼肉・・・・思わず口を「への字」に曲げてしまう。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ほらいくぞ。店の前に突っ立っておくな」
朧に急かされて雄太は覚悟を決めて扉を開けて店の中へと入る。中はごく普通の焼肉屋の模様をしていた。その奥で骸が楽しげに手を振っている。
「おーい、こっちだ。早く来いよ。肉が焦げるだろ」
「義兄、焼くのが早すぎ!」
既に骸はタン塩から始まり、カルビ、ロース、ハラミなど幾つかの肉を焼き始めていた。既に骸の更にあるタレには幾つかの肉を食べた経過すらある。
「先に食べるな。少しぐらい待ってくれてよ」
「すまん、義妹。腹減ってたんだ。それよりお前らも早く食べろよ。焦げるから」
骸が箸を素早く動かし焦げそうな肉を更に持っていく。すぐに皿に肉は大盛りとなった。それを朧は苦笑し、雄太は無言で食べていく。食べている途中で気付いたのが身体は結構空腹になっていたらしい。よく考えれば昨日の昼に牛丼を食べてから既に一日はたっている。その間にリンゴを食べてだけで強化の消費に供給が追いついてなかった。
そのせいか、肉の脂の甘美なこと。口の中に放り込んだ肉がじゅわっと広がる肉汁と共に歯ごたえを噛み締める。思わず感嘆の声が上がった。
「・・・美味いな」
「そうだろ。俺のお勧めだからな」
雄太の言葉に、骸もにやりと笑う。
朧の方もじゃそうなのか、彼女も肉を貪るように食べ始め、アッという間に更に二人の更に乗った肉がなくなる。

SNSでこの小説を紹介

アクションの他のリレー小説

こちらから小説を探す