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lost/bombs
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lost/bombs 15

「はん、そっちのガキは?」
全身の火傷を必死に自然治癒力を強化させて治しているが圧倒的に時間が足りない。全身が水ぶくれを引起しながら、それでも立ち上がり答える。
「草薙雄太」
「よく二人とも名乗ったガキ。んじゃ双方名前をあたしの名前を覚えてろ。黄泉。テメェラの行き行く先だ」
美女は十字架のように構えていた双銃の銃口を二人に向ける。双銃から機関銃の如く凄まじいほどの銃弾が放たれたのは刹那の後だ。目の前にある全てを撃ち砕きながら銃弾の嵐が二人に迫る。二人は無言で左右に分かれた。
在り得ないほどの高速射撃には銃弾の装填が絶対に必要になる。あの銃が新型、いや進化型だとしてもせめて百発が限界だろう。それがなくとも二手に分かれればまとまって動くよりも銃弾の数は半減する。無言で雄太と人狼少女=朧は左右に分かれながら銃弾の嵐から雨へと変わった掃射を交わす。瓦礫が爆発の一撃で吹き飛ぶのを見て溜息をつく。在り得ないだろ、と内心で呟きながら雄太は側の鉄筋を引き抜き、即席の槍とする。
雄太は槍など習ったことは無い。いやそれどころか使ったことも無い。大抵ナイフか素手のどちらか。むしろ素手の方が強いのだからしょうがない。雄太は鉄筋の槍を使って銃弾を弾く。極限まで強化した動体視力によって見える銃弾は白く奇妙。それを鉄筋で弾き、更に地面の石を叩き、お返しとばかり放つ。それを黒衣の軍服を纏った美女は降り注ぐ氷刃から身を交わしつつ、見向きもせずに銃身で弾く。
軍服の美女は桜色の唇で宣言する。
「――弱い」
そのまま黄泉は軽く一歩踏み込み、その瞬間、その姿が掻き消える。弾丸を見切るほどの強化した動体視力でも見切れないほどの超高速か!?と唖然とする二人。思わず辺りを見回し、次の瞬間、彼方より放たれた銃弾を交わしきれず右腕の二の腕をぶち抜かれる。
「ぐああああッ!!」
痛みには慣れた雄太が思わず絶叫してしまうほどの激痛に思わず握っていた鉄棒が落ち、そして彼方より放たれた銃弾が四肢を穿つ。小柄の穴。小指の先も入らないほどの子規模でありながら、それの訴える痛みは限界を超えていた。本能が限界を超えた痛みに悶絶死を恐れ気絶させようとするのを血流を強化することで停める。

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