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lost/bombs
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 同刻、暴力と破壊と破滅の力を撒き散らしていた四人の動きが僅かに止まり、その視線がある一点を捉える。しかし、四人の視線は再びそれぞれの敵へと狙いを済まし攻撃を再開した。

「あー、あー、あー、何百年ぶりかな。この姿(フェイス)も」
「知るか」
「そういうなよ、わざわざこの姿にかわってやったんだぜ。殺(や)り会おうや」
「お前とする意味は無い」
「蹴りを打っていてその台詞はねぇだろ。実際―――」
人影が風を纏って一直線に迫る。外套から左腕が現れ、それが瞬時に巨大な獣の腕へと変化するのを見た。横薙ぎに振るわれる獣の拳を雄太は防禦し、そのまま吹き飛ばされる。一撃が桁外れに重い。筋肉や筋、骨は進化密度を高めることでテレビに映る超人程の力は持っていた雄太の体が木の葉のように吹き飛ばされる。

目の前の視界が物凄い勢いで流れ、一キロ(1000メートル)を上へと吹き飛ばされ、これ以上吹き飛ばされれば砕かれた空に飲み込まれる、と気付いた雄太は背中の背骨から骨を突き破らせる。脊髄が砕けたのではなく脊髄より新しい骨が突き出て、すぐさま黒い羽根に覆われ、黒い双翼になる。黒にしたのは雄太の趣味ではなく生体成分から白を構成するより簡単だったからだ。
人間の体重――更に筋肉や骨を進化させた雄太の重量――を支えるには双翼だけでは足りない。それを補う為に生体電流を進化させて翼に流し込み、その羽根に注入されている体内生成金属の誘導反応によって浮遊力を挙げて空を漂う。翼の動きと共に紫電が飛び散り、それを見て地上の人影は笑いながら、右手を突き上げる。
「君は不満をいえない子供みたいね」
「・・・・何?」
突き上げた掌に紫電が灯り、巨大な雷の大蛇が空中にいる雄太に噛み付く。紫電によって肉が裂け、血が沸騰し、こげた匂いが漂う。
「うがあああっ!」
まさか、ここで世界創造じゃなく法則改竄――能力で来た。驚きながらも稲妻の大蛇を弾き飛ばし、体の再生を早める進化を促そうとして、背後に回り込んだ気配に、ぞッと震える。
「だから回りが見えてない。隙だらけ」

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