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lost/bombs
その他リレー小説 - アクション

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lost/bombs 114

激しい轟音と衝撃波が廻りを吹き飛ばし、かなり離れているはずの雄太の髪を靡かせる。
黒髪が揺れるのを見て雄太は軽く溜息を漏らす。
「はぁ・・・」
「どうしたのかね?」
「なんでこうなんだ?」
「・・・・・・」
「俺は別段世界がどうなろうと知ったことじゃない。元元、最低な殺人鬼だ。そんなことはどうだっていい。どうでもいい。妹が・・・・怪物になった妹を殺せればそれでいい」
「・・・・君は妹を殺したいのか?」
「それが妹の望みだろう・・・?」
虚ろな雄太の瞳に、クスクスと白い螢光は笑う。
それは微笑とは取れない間違いなく嘲笑だった。
「本当に?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「本当に?忘れていたのに? 自分で作って空想、いえ妄想かもしれないのに? この街にどれだけ相手の記憶を改竄できる進化者がいるとおもってる? 不器用なのはしょうがない。でも今の君は無様で滑稽だよ」



ゾワリッ、と空気が震える。
雄太の全身から立ち昇る殺気と黒い瞳が走らせる冷たい視線に螢光の燐光の輝度が増す。
「あれ?本当のことを言われて怒ちゃった? もうお子様なんだから」
雄太の返事は回し蹴り。
しかし、ただの回し蹴りじゃない。
最大までに強化した回し蹴りは音速の壁を突破し、その直線状ある水蒸気を摩擦熱で気化、それが見えることには既に振り抜かれており、軌道上に残る水蒸気の後のみが回し蹴りがあったのだと理解させる。
そして衝撃波が雪などを蹴散らして、残ったのは雄太と螢光―――ではなく変な風貌をした人影だった。

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