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子守唄を添えて…
その他リレー小説 - アクション

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子守唄を添えて… 8

陣野「カジンとな?
貴様、地獄より甦りよったか」
いつの間にか、凛と白の横に陣野がいた。
二人「「陣野さん/先生、いつの間に」」
陣野「白君が凛君の過去を語ろうとしていた時じゃ
それより、カジンよ、貴様は死なねばならぬ、凛の家族を殺し、自分の体を改造したお前には、」
凛「殺した?!貴方が?!私の家族の仇!!」
陣野「まぁ、待ちなさい凛
君達は、逃げなさい、アサシード本部まで、私が時間を稼ぐ」

私は必死な思いで声を出した。
「…当たって…るわ」
私が歌手を辞めてさえ、殺し屋になった理由、それは…
家族を殺した人を殺したいから。

ハクちゃんのなまくら剣は私の首からそっと離れ鞘に入れられた。
すると私がしゃがんでいる目の前に彼もしゃがんだ。そしてそのまま土下座をし…
「申し訳無いッス!!!!」
と、近所迷惑をはばからず叫んだ。
「………へ…?」
私は驚きのあまり、間抜けな声を出してしまった。
それはそうだ。手合わせの相手がいきなり土下座で謝った。さっきまで優勢だったのに。
「ハクちゃん…?」
「すいません!!その…いつまでも凛さんがウジウジしてるッスから…強行手段と言うわけで…」
彼は申し訳なさそうに言った。まだ土下座したままだが、アハハとか気味の悪い笑みをこぼしている。
この状況に少し狂ってしまったのか、ましてや笑って誤魔化したいのか。
なんか…ムカつくわ。
「ハクちゃん…?頭を上げて…?」
「はい…」
素直に頭を上げるハクちゃん。表情は安堵。そして彼の視界の片隅には私の右手が見えたのだろうか…?
パンッ…!!
「へぶっ…!?」
平手打ちでハクちゃんは1メートル弱吹っ飛んだ。
「あ…ごめん、ハクちゃん…♪手が滑ったわ…♪」
「っ…そ、そうッスか…」
鼻血が出てるので男前が台無しである。
「じゃあ…手合わせしましょ…♪」
「へ…?あ、了解…」
「刻止…」
始まりの合図を待たず、私は刻止を使いハクちゃんの目の前に来た。
彼は私の性格が分かっている。だから、こんなことをして私の心…過去をこじあけるような真似をした。
きっかけが無いと、このことは話せないから。
そして彼は見事にきっかけを作ってくれた。私に殺されるかもしれな…ううん、私が彼を殺すなんてしないことも計算の内だったのかも。
そして…今から私にボコボコにされるのは計算に入ってるのかしら…?
私は彼の胸に手を当てる。彼は私がまばたき1回で目の前に来た事実をまだ理解していない。
彼の気が動転してるうちに、今までの勇気ある行動を称えて…感謝の意を込めて…
「ありがとう…」
自分の言葉に思わずニヤけながら、思いっきり彼の体を吹っ飛ばした。
私に恥をかかせた報いは、これくらいじゃ許してあげないわ…♪

街行く人、皆に振り向かれる。それは俺が思わず見とれてしまうような容姿をしているわけではない。
でも、きっと普通より少し上だ。

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