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子守唄を添えて…
その他リレー小説 - アクション

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子守唄を添えて… 5

『アサシード』の中で一番に偉い人である。ちなみにリスクランクはSS。昔は凄い殺し屋だったらしく、様々な体術を習得し、最強といわれていた。
「いえ、本当に偶然だったので…」
「そう謙遜するな。君の悪い癖だぞ…?まぁ、君のいいところでもあるのだがな」
「ありがとうございます…」
あの凛さんが素直になるくらいの人物である。
「おぉ、そうだ。紹介する…孫の葉子だ」
「陣野葉子です。よろしくお願いします…♪」
「私は神夜凛。よろしくね、葉子ちゃん♪」
「俺は浅田白斗。…よろしく」
「カミヤ…リン…?」
最初は誰もが耳を疑う。かつてテレビでスポットライトを当たっていた人の名前と同じなのだから。
「……じゃあ先生、私はここで。また会いましょう、葉子ちゃん♪」
「あ…はい。また…」
タイミングが良過ぎる逃亡。
それは、今まで何十回もやってきたタイミングだった。

「ねぇ、おじいちゃん…あの人…」
「うむ…あの『カミヤリン』だ」
「じゃあ、どうして今…」
「彼女は…過去の自分を嫌っているのだ」

「いつか…ちゃんと理由聞かせてください」
「面白くない話よ。聞く必要なんて無いわ」
理由を絶対、話そうとしない。その時は必ず悲しげな表情をするのに。
「それよりも次の仕事は?」
「…はい。柳正彦。リスクランクはC。男で36歳。どうやら若手の政治家のようです」
「ふーん…今度も簡単そうね…チャッチャッとやるわよ」
「了解ッス」
俺と凛さんは標的が必ず夜に外で散歩をするという情報を得て、その散歩コースに待ち伏せすることにした。
夜…月が雲で輝きを失った時に、標的は歩いてきた。
そして彼女はこう言った。
「ハクちゃん…ごめん。この仕事できない…」
「え…どうゆうことッスか?」
「理由は…後で話すわ。とりあえず逃げましょ…」
こうしている間に標的はすぐそばに来ていた。
足音は2つ。
標的と…標的の娘であろう女の子。
俺と凛さんが逃げだそうとした、その時…
「ねぇ〜…僕がやっちゃうね〜…♪」
その声が聞こえた瞬間。
標的は…頭の無い肉塊に変わっていた。
びちゃびちゃ、といつ聞いても嫌な音がする。
「ん〜…いい音…♪」
『彼』にとっては心地よい音らしい。
標的の娘は頭の無い肉塊と変わった父親をゆすった。
「おとーさん…おとーさん…」
人目見ただけでも、助からないと分かる。しかし…女の子は父親が死んだ現実を認めずにいた。
その様子が気に食わなかったのか、彼の矛先は女の子に向いた。
「うるさいよ〜…?」
「や、やめてっ…!!」
ぐしゃり、と嫌な音が聞こえた。
女の子が殺される前、叫んだのは凛さんだった。
「ん〜…?どうしたの、凛〜?君ができないから、僕が代わりに殺ってあげたんだよぉ〜…♪僕は君を愛してるからね〜…♪これくらいお安い御用さぁ〜…♪」
彼はその小憎らしい声を高々にして、まるで自分が良い事をしたかのように言い放った。

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